コンテとアッレグリ、ミラン対ユベントスの雑感

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 結果は2−1でユベントスの勝利。2得点ともカセレスのゴールである。ただ、彼をヒーローとして扱うのは違和感の塊である。そう思ったのはユベントスの守備の足を引っ張っていたのがカセレスだったから。サッカーとはほんと良くわからんスポーツなんだなと思わされた。

 '''■コンテの時間'''

 この試合、最初に優位な立場に立てたのはユベントスであった。その要因はユベントスの3−5−2による守備組織にある。元を正せば、そのユベントスの3バックは、3バックのチームに対応するため、始められたものだった。それがウディネーゼ戦でバッチリはまっていたのが印象的。

 で、ミランのシステムを見ると4−3−1−2。それなら3バックじゃないよねって思っていた。いざ試合が始まってみると、なんとまぁ3−5−2であった。またその守備が非常に良く出来たものでそれを見ていく。

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 マッチアップから行くと、3枚のCBでイブラとシャーラウィに対応。この2人は0トップ的な動きを見せ、サイドに開いたり中盤に降りたりとCBの目の前から消えることが多い。ユベントスはこの2人に対して3枚のCBで対応する。

 CBのうち2枚がイブラとシャーラウィについて行っても、1枚はCBが残ることになる。もともと3人対2人の訳だから、2対2で2枚のCBが飛び出しても1人はゴール前に残ることができる。ボールを引き出しイブラかシャーラウィか片方がなので、1枚のマンマークと、2対1で数的優位を形成することで2トップには対応。

 両サイドではユベントスのWB対ミランのSBで数的同数でマッチアップを形成する。中盤でも数的同数で守ることに成功している。それはもともとのマッチアップがそもそも3対3だからである。で、このブロックの特徴はマッチアップがはっきりしてることと、ほぼ数的不利を作らせないところ。

 ただ、数的同数な部分で攻略されたり、そこを数的優位に変換されたり作られたりってのも考えられる。後者を考えると、その可能性を持ってる選手はファンボメルである。このマッチアップの中で浮いている。そこでファンボメルが攻撃参加すれば、面白そうである。

 ただ、そんな場面は少なかった。カウンターへのリスクもあるのだろうか。なので次に数的同数のところのマッチアップって面を見ていく。この試合ドピエッタのヒーローはカセレスだが、残念ながらユベントスの守備の綻びはここであった。アントニーニにこんなに苦戦するとはってか、カセレスの守備力がかなり問題ありだと思ったの巻。

 でもそこ以外は優秀で、ユベントスはバルザリを中心にイブラとシャーラウィに対して的確に対応し、中盤もメンバーは変わってるが安定、エスティガリビアは目の前のボネーラが攻撃参加に意欲を示さないので楽。組織の中での個人の出来も良く守備はほぼ完璧であった。カセレス以外のところでは。

 攻撃に目を移すと、ユベントスは序盤こそボールを持ちそうな感じだったけど、カウンターを中心にチャンスをつかんでいく。攻守は一体なんだなって思ったのは、こんな動き。ユベントスピルロをアンカーに置くその体質上、その両脇が常に弱点としてつきまとう。

 その弱点を埋めるために、コンテはWGをピルロの両脇に置く守備ブロックを作ってみたりしていた。今回は中盤で数的同数なのでピルロのマークは1人。その両脇にイブラやシャーラウィが降りてきても3枚のCBで対応する。で、ピルロの両脇って弱点は埋める。

 WGをピルロの両脇に送り込む形でも今回の形でも、共通点で言えばCHでピルロの両脇を補うことがないこと。つまりCHの位置を下がりすぎることがない。2トップの援護にはそんなCHを送り込む。ジャッケリーニとパドインが得点シーンに絡んだことも含めてそんなところ。

 '''■アッレグリの時間'''

 また単細胞で攻あぐむ無策のミランか、、、って思って想像してたが、いつもの60分くらいの交代発動。エマヌエルソンからロビーニョへ。これがなかなか面白い交代策であった。その後一応、そのカセレス関連の変わらない流れの中で、アントニーニのクロスからアンブロ→シャーラウィ。同点に追いついた。

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 ロビーニョとシャーラウィをピルロの両脇に置いてみる抵抗。ここをCBでつぶしに行くか、CHの位置を下げるか。他にもありそうだけど。ここでバルザリとジョルキエを高い位置に狩りに出すリスクを取る良さもなく、ジャッケリーニとパドインを下げることで落ち着いてしまった。

 というわけでユベントスのCHは後退する。それにより守備の開始ラインが下がり、ミランの後方が自由に。CHの位置を下げさせたことでカウンターへの驚異も減った。そうしてミランは流れを手に入れ、ユベントスを押し込むことに成功した。

 ミランのターンである。たくさんチャンスを作っていくミラン。だけどカセレスってか、サッカーは意味不明なスポーツでもあっるんだなと再び思う。ユベントスが試合の流れに逆らいミランのミスから勝ち越しのゴールを決める。またもあのカセレスガゼッタは採点にさぞ苦しむことだろう。

 最後にマキシを投入してパワープレーで精一杯の抵抗を試みるミラン。ただ、そんなにチャンスを作れず終了。管理人はアッレグリのやるこのパワープレーに否定的。もっと良い方法がありそうだけど。そして2得点が必須の状況でユベントススタジアムへ向かうこととなった。ミラニスタ目線だと無理ゲー。

 '''■最後になんなりと'''

 コンテとアッレグリ、この2人の戦いはリーグ戦へ