最高のローマ対インテル

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 結果は4−0でローマの勝利。結果も内容も伴い、ルイスエンリケを監督に招いてから、最高のローマを披露したんじゃないのかって試合であった。インテルもローマが強すぎるもんだから、仕方なかったのかなと。スナイデルアルバレスも居なかったし。

 結論を言うとこの試合、ローマがボールを保持し試合を完全に支配することに成功した。で、それに対応することになったのはインテル。今回はサボることもあったが、基本的にミリートとパッツイーニで中央を閉じることでインテルは守備を開始しようとする。後方は4−4ブロックを後方は作り待ち構えようとする。

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 デロッシをCBの間に送り込み3バックを形成する。そこでエインセとファンをサイドに開かせる。で、トッティやガゴピャニッチなどがボールを引き出しにくることや、ファンとエインセがドリブルで上がることでビルドアップに成功していく。こんな形でスタートのミリートとパッツイーニの守備もどんどん剥がすことに成功した。それらはデロッシがCBの間に入ることがスイッチである様子。

 ただ、インテルも2度くらい横パスを奪ってカウンターを仕掛けることがあった。前半14分のミリートが使ったようなチャンスをもっと作れれば良かったが、ローマのビルドアップも優秀だったので、そう簡単にミスはしなかった。そんなリスクもあったよくらいに捉えてください。

 ボールを保持し、ビルドアップに成功したローマは効率よく攻撃に横幅を使い、左右にインテルのブロックを振り、また横パスが多くなるので支配率を高めることなどもできていた。

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 両SBを高い位置に進出させる。ここで横幅を確保し、2トップとMFのライン間でガゴやピャニッチトッティなどがボールを受けることでサイドチェンジ。ガゴから直接アンヘルなどの形もあった。インテルの2トップはここまで下がって守備をすることはなかった。よって左右にも振り回されるインテル

 それらのトッティがボールを触りに中盤に降りる動きはインテルの守備にほころびを生み出し、ローマの良い仕掛けどころにもなっていた。トッティはいわゆるゼロトップ的な動き。インテルの守備陣はそのトッティの動きについていくか逃がすかその判断が迫られることになる。

 で、インテルは中途半端にトッティについていき、トッティのダイレクトプレーにいなされ、寄せにいくことで空いたスペースをラメラたちに利用されまくった。そんなトッティのダイレクトプレーからラメラがドリブル開始、シュートはセーザルに止められるが、そこからのコーナーキックからファンのヘディングで先制した。

 それからもずっと危ないインテル。何事もなかったようにボール運ばれるし、サイドチェンジで振り回されるし、トッティへ対応のミスからピンチが訪れたりするし。まるで防戦一方であった。また、ローマの守備もかなり効いていたのもその一つとしてある。それに加え、異常に攻守の切り替えも早かった。

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 ローマのプレスは、サイドに密集して逆サイドをほぼ捨てるように行われていた。プレスの起点はトッティルシオ→サムエル、サムエル→ルシオのコースを消して片方のサイドに誘導。そこで密集して奪うみたいな。こんな感じのプレスが効いていた。

 それにインテル自体もアルバレスの不在で、前線と後方を上手く繋ぐことができず、ミリートとパッツイーニは孤立することが多かった。アルバレスをいるからとラニエリが使ったのかは謎だ。スナイデルも居ないこんな時はコウチーニョが恋しくなる。組み立てを期待されるバロンボもうまくボールに絡めない。

 ただ、前半途中のトッティが疲れかなにかでCB間のパスコースを消せなくなった時間帯はちょっと守備がボヤけた印象。そこでインテルマイコンがよくわからないポジショニングを取り始める。そうか、バロンボが上手く組み立てに加わってくれない。だからってマイコンがCHかSBかよくわからん位置でボールを受けて色々するのはえらく歪んでる。

 で、ちょっとだけインテルにもペースを与えたローマだけど、ボリーニのゴールで追加点を得る。裏への飛び出しに並外れた決定力を持つボリーニの台頭は、オスバルドを目立たなくさせるかもね。ローマに裏狙いの仕掛けのオプションが出来たのは大きい。

 後半からインテルはパッツイーニからポーリ、サムエルからコルドバコルドバってめちゃ久々に会った気がする。前者はおそらく戦術的な交代、後者は怪我かな。でポーリの入ったインテルはシステムを変更して4−5−1へ。こんな狙いがあったんじゃないかと推測。

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 結局はガゴとピャニッチ、そしてトッティのところが抑えられてない。だからそこへの対応をはっきりさせようぜみたいなのを狙った可能性もある。といってもローマは2点リードしてる。何も攻め急ぐこともない。さらに後半そうそう裏狙いの男ボリーニの2発目が決まりスコアは3−0。

 攻める必要があまりないローマは、後方でゆっくりボールを回す。そしてたまに攻める。インテルには前プレに行って欲しかったんだけど前半の時点で意気消沈してたのかなと。で、ローマは勝者のメンタリティーを持ち込むとか言ってたのにバレーボールで退場したボージャンのスーパーゴールで4点目。あんなのを見ると物凄いポティンシャルを秘めてると思うんだよね。

 '''■最後になんなりと'''

 ぶっちゃけ、インテルが無策すぎた気がするし、メンバーのクオリティも低かったから、、、って感じもする。でも、ローマはほんと良かったと思う。このサッカーを維持できればCLも行ける可能性もあるかなと。ずいぶん見てない間に良くなっていて安心した。ローマは一日にして成らずとか言ってたもんね。