ストーク対リバプール 〜プレミア式カテナチオ???〜

トークとはロングスローのチームである。ようするにデラップ。そしてクラウチがそんなストークに加入した。デラップ×クラウチとは大変面白い組み合わせである。そんなデラップのロングスロー大作戦がクラウチとのコンビで炸裂するのか。そんな期待である。

リバプールは3節をすっ飛ばして見る。開幕戦はなかなか楽しそうなサッカーを見せていたがアーセナル戦で勝ちはしたものの内容は落ちた印象。この試合はどうだろうか。

トークのスタメンはベコビッチ、フート、ショウクロス、アップソン、ウィルソン、ペナント、デラップホワイトヘッド、エリザントン、ウォルタース、クラウチ

リバプールのスタメンはレイナ、シュクルテル、キャラガー、アッガー、エンリケ、ルーカス、アダム、ヘンダーソン、ダウニング、スアレス、カイト。

両チームのスタメンを見て思うこと。リバプールはキャロルではなくカイトがスタメン。ストーククラウチがスタメン。そのくらいが気になることである。

◆肉弾戦とリバプールの攻撃

試合は全体的にプレミアらしい肉弾戦のように進んで行った。こうなった場合にはストークが有利である。理由はリバプールはアダムやヘンダーソン、ダウニングのテクニックにより理由は試合を作っていく。ストークはまさにデラップのロングスローに代表されるようにフィジカルな肉弾戦がお家芸。そんな理由。なので結論はリバプールは攻撃はストークのフィジカルに封じ込められる場面が目立った。

リバプールのスタメンを眺めてみるとキャロルさんがいない。システムはカイトとスアレスの2トップ。両サイドには右にヘンダーソンと左にダウニング、両バックには右にシュクルテル、左にはホセ・エンリケボランチにはアダムとルーカスである。

まずカイトとスアレスが2トップのような感じでスタメンであるということ。相手のトップにはクラウチがいる。狙いはクラウチを起点にしてカウンターだと違いない。なのでそのクラウチに良質なロングボールをあげさせないようにすることが狙いのよう。どいうことかと言うとスアレスと運動量のカイトでショウクロスとアップソンにプレスをかけてロングボールの精度を乱すこと。これは成功していた。

しかし問題は中央に攻撃の起点ができるかということ。スアレスは起点になろうと頑張ってはいたが回りが絡んでいかないと潰されるし、スアレス自体もサイドに出ていったりする。カイトもロングボールを足下におさめて起点になれるような選手ではない。ということでリバプールの中央からの攻撃は行き詰まる。起点ができないから。

ならばサイドを崩していこうとするリバプールヘンダーソンは行方不明になっていたので中心はダウニングとホセ・エンリケ。ダウニングは後半ぐらいから左に移動したがそれは後半のはなし。それでサイドからの崩しはホセ・エンリケとダウニングによって行われそうになった。そうになった、いくつかはクロスを上げたが上げようとしたクロスがストークの守備陣の上手いスライディングに引っ掛かる場面が目立った。

そんなこんなしているうちにPKで失点したリバプール。前半のリバプールの状態を短く簡単に整理するとストークの得意なフィジカルな戦いにまんまとのせられたという感じ。一番気になるのは中央で起点ができないこと。

◆ストークの守備のまとめ

トークの守備の重要なところは絶対に中央のスペースを開けないことである。もう1つは読み。スアレスとカイトが起点になれず潰されていたのはこのストークの中央の守備の良さにもあった。その守り方は守備の優先順位に非常に忠実。まずはインターセプトを狙う、それが無理ならばトラップミスを狙う、ミスがなければ縦を切る、突破されそうになったらスライディングで止めにくる。

さらにカバーリングを徹底する。スアレスカバーリングにより無力化されていた。もちろん人にもついていく。そんな意識を忘れなかったからリバプールの選手を自由にさせることはなかった。さらにたまに押し込まれないように前からプレスをかけるほぼ完璧。中央に限らずサイドでも同じようにしっかり守っていた。

さらにメンタル面でも。守備のときに大切なのは粘ること、高い集中力を保つこと、勇気を持って対応すること。こんな感じ。これらもストークの選手たちはできていたようなのでストークはメンタル面の強さを象徴する選手たちの集まりかと。5連続クリアは今季始まって間もないけどベストプレーを捧げたい。

しかしストークは良質なロングボールがクラウチにあまりおさまらずにカウンターに関してはあまりよくはなかった。おそらくスローインになればデラップのロングスローからなんとかなるという考えがあったかもしれない。しかしリバプール陣内でのスローインが少なかったのでデラップのロングスローはあまり見られなかった。リバプールのコースの切り方が上手かったのだろうとも。

なので後半からはエリザントンに変えてジョーンズを投入してクラウチとジョーンズの力技でカウンターを仕掛けようと。しかし後半はエリザントンがドリブルで頑張っていたので残念と言えば残念であった。しかしクラウチとジョーンズの方がリバプールにとっては脅威になりはする。リバプールも消えていたヘンダーソンに代えてベラミー、カイトに代えてキャロルを投入して勝負にきた。

トークは本格的にラインを下げてゾーンで守る色合いを高めてきた。ゾーンの色を多く見せたからラインが下がったようにみえたのかもしれないが中央は余計にガチガチになったのでリバプールはやはり崩せない。最後はクラウチとジョーンズまでも下がってきて守ったストーク。そしてまもりきったのであった。

◆最後に

素晴らしいストークの守備であった。リバプールは躓いた。やはり引いて守る相手にはジェラードが有効だということだけれどもジェラードはいつ復帰するのだろうか。ジェラードの後ろから出てきてのミドルシュートが待たれる。あとダルグリッシュは少し動きが遅かった。キャロルが点を取ってないとはいえターゲットができて起点にはなれるから。とにもかくにもストークの守備は素晴らしかった。