ミラン対パレルモで目撃された戦術的な包囲網
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ミランはロビーニョが復帰してから挑む試合となりますね。時空を説明するとフルボッコにされたユベントス戦のあと、代表ウィークのあと、チャンピオンズリーグの前でありまする。アッレグリはユベントス戦でのことをどう修正をしてきたかということに注目が集まりますね。しかしこの試合はユベントス戦でのことを意識しないで見るのが正解に思えました。
パレルモは近頃ミラニスタの間で使えるチームに変身したと騒いでるチームでございます。というのも、インテルを倒して頂いたり、ノチェリーノを安くプレゼントしてもらっただからと言います。そしてパストーレはいません。パリで非常に元気にしているのが印象的ですね。
'''■行き詰まり'''
まずミランの攻撃の狙いです。
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ミランはファンタスティックな3人が前線のペナルティエリアの横の付近とバイタルエリアでオープンな状況でボールを受けたいのがミランでした。また中盤ではパレルモのフォワードとパレルモの中盤の間のスペースを有効活用したいような雰囲気でした。
ようするにロビーニョ、カッサーノ、イブラヒモヴィッチはゴールに繋がる位置でボールを受けようとしました。そしてファン・ボメルとアクィラーニは中盤のスペースでボールを受けようとしました。そして前線のメンツも中盤のメンツもオープンな状況でボールを持てれば何かをできそうな雰囲気です。
しかしサッカーは相手が存在するのがいつものことでござんす。パレルモは最終ラインと中盤のラインを非常にコンパクトにおさめて守ります。さらに前線に配置されたミッコリとエルナンデスが深追いしない代わりにパレルモの中盤のメンツとのスペースをできるだけ開けないようにしてしっかり守ってました。
ならばパレルモはボールを奪ってカウンターというシーンが出て来そうな雰囲気になりそうですが、パレルモはミランを思いっきりリスペクトしていたのか攻撃への意欲がありませんでした。しかし守備をコンパクトに固めたパレルモなので、ミランからすれば前線がちっともオープンな状況でボールを受けれないので崩しに入れないので困ったなぁとなりました、
ミランのことで忘れてはならないのが前線からのプレッシングでありまする。というのもミランのプレッシングは機能していました。ようするにパレルモはミランのプレッシングの餌食になって前に行けなかったとも考えれます。というかこっちが正解でしょう。
しかしミランのプレッシングにもほころびがありました。何かというと下の図を見てください。
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アクィラーニが自分がいるべきゾーンを超えてパレルモの後ろの選手にプレッシングに行ってます。問題は気まぐれなイブラヒモヴィッチとカッサーノが守備をサボることでやす。他にもファン・ボメルやノチェリーノにもそんなシーンがありました。そうなった場合パレルモが利用できるスペースが登場します。
なのでそこのスペースをついてカウンターしたいのがパレルモといったところですが、そのスペースをついてカウンターへの意欲を見せ始めたのは前半の25分くらいからでした。それとともに試合も動き始めました。
理由を説明すると、パレルモがそのスペースを利用してカウンターを狙うということはパレルモの選手は前に出てきます。ということは必然的にミランのファンタスティックな3人にオープンな状況が出来上がることが簡単になります。といってもカウンターのカウンターといったところです。
もう1つミランはポゼッションからの攻撃が明らかに多いです。ならばポゼッションからの攻撃でもオープンな状況を作りたいというのが本音です。ようするにパレルモが作った守備ブロックを破壊したいといったところです。そんな矢先チアゴ・シウバが負傷でボネーラに代わりました。その時アッレグリがファン・ボメルに何か言ってましたね。
おそらくその内容はハイブリッド型の3バックへの変形でやした。流れの中で3バックに変形する3バックポゼッションです。多かったはファン・ボメルがネスタとボネーラの間に入っていくパターンです。そしたら困るのはパレルモの前線にいるミッコリとエルナンデスです。結局この混乱した二人を守備に組み込むのはできなかったので、ネスタが華麗に暴れ始めます。
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上の図のようにネスタがドリブルでボールを運べばパレルモの誰かが行くようになります。そうした場合にどこかがフリーになり、オープンな状況でボールを受けることが可能になりました。なのでミランのファンタスティックな3人は解き放たれました。
パレルモは自分たちがミランのほころびを利用して攻撃していても、そもそも攻撃が最終的には完全に止められて、ミランの前線のファンタスティックな3人がオープンな状況でのカウンターをくらいました。おまけに、パレルモはブロックを作っていてもアッレグリの采配で始まった流れの中からでもオープンな状況を作り出す3バック作戦にやられてしまいました。
そうやって流れを完全に自分たちの手に入れたミランはファンタスティックな3人を中心にチャンスを作り出します。先制点はイブラヒモヴィッチがペナルティエリアの中でボールを受けたらたくさんパレルモの選手を引き付けて逆に走り込むアクィラーニに出しました、そしてアクィラーニからノチェリーノのゴールでしたん。
こんな調子なのでパレルモが何らかの修正をしてくることに期待が集まりますが、ミッコリに代えてアルバレスを投入しました。しかし意味があったかどうかは分からず、前半の途中からのファン・ボメルのようにアクィラーニもネスタとボネーラの間に入ってきて、完成度が高くなったのか!?と疑わせるレベルの攻撃を見せました。
そして怪我と一緒に外し癖を治したかもしれないロビーニョがしっかり決めて、カッサーノも決めて、イブラヒモヴィッチが決めれば完璧だったのですがはずしちゃいました。ロビーニョの病気が移っていませんように。しかしイブラヒモヴィッチはとにかく凄かったです。やる気がなくなったなんて明らかに嘘でしたよん。
'''■最後に'''
もしも、狙って前線の守備をサボらせていたらアッレグリは神。たぶんないけどね。しかしチームの悪い部分がよい影響を与えることがあるんだなと、また1つ学べた次第でやんす。こんな学べる試合に巡り会うことに期待しておきます。