相手にボールを与えたミランのバルサ化を目指すローマ戦

ローマとミランのスタメンをこちらです(あだ名だらけ)。

left|jovpebnsfgorts-281339.jpg

//clear

'''■この試合に挑む両チームの状況の整理'''

まず、ローマもミランも調子を上げてきています。ローマもミランも首位にいるチームの勝ち点が見えてきているところですね。ミランについてはミラニスタという職業柄、ずっと見てきていますが、ローマに関してはローマダービーに続き二度目の観戦です。その時のローマははっきり言ってあまり良いものではありませんでした。

どのように悪かったかというとビルドアップの局面です。ラツィオの前プレをセンターバックとデ・ロッシが全くかわせないのでステケレンブルフに下げてからステケレンブルフのフィードの精度に任せる、そんな感じでした。ステケレンブルフのフィードが目立つような展開でしたね。ステケレンブルフ依存症といっても過言ではありませんでした。

ならばこの試合もステケレンブルフが目立つ展開になったかと言うと違いました。理由はどこにあったかを説明するとミランの守備です。ミランは前からプレッシングに行くより、得意の引いて守るのを望みました。もちろん場所がオリンピコでアウェイという影響があったことは忘れてはなりませんね。

まずはボールを与えられたローマの説明からしていきたいと思います。と言ってもローマはボールが大好きなんですがね。

'''■これはミニバルサなのか???'''

left|jovpebnsfgorts-281340.jpg

//clear

この上の図のような移動をローマは意識していました。説明していくと、ミランロビーニョとイブラで2トップだからという理由もあり、デロッシブルディッソとファンの間に入るハイブリッド型の3バックによるビルドアップを試みておりました。一般的に言う3バックポゼッションですね。昨年のバルサブスケツセンターバックの間に入る形で行っていましたね。

またピャニッチに関しては間違いなく、メッシの0トップを意識していましたね。上の図のような動きです。そこで、中央が空になるのでボリーニとオスバルドは攻撃の時には中央にいることが多かったです。そうなるとフォーメーションの表記、システムは4-3-1-2というのがしっくり来るかもしれませんが守備の時には4-1-2-3を意識した動きを見せていました。

そして中盤に降りたピャニッチはガゴとピサーロと共に中盤でパスワークを作ろうと試みます。ピャニッチは良い選手でしたが、メッシとの比較ではフォワードの仕事をできるかどうかという問題になりますね。ならばトッティは必要なんだなと思います。ボージャンもパスワークに加わることも出来ますが、まだミラン相手には出来ないとエンリケは睨んだのですかね。

気になるのはバルサフォワードはサイドに張るイメージっがあるので、ここはエンリケが独自色を出そうとしているんだろうなと思いますね。ローマのメンバー的にも、イタリアではウイングが必要ないって文化も多少は影響しているとも思われますね。えっと、クアレスマでしたっけ。

left|jovpebnsfgorts-281341.jpg

//clear

ローマはデロッシが上がることでポゼッションの位置を高めます。バルサではこれはブスケツの仕事ですね。そして攻撃の横幅はカセッティとアンヘルの両サイドバックによってもたらされます。アンヘルは非常に高い位置に陣取っていました。彼もまた良い選手でしたね。ミランはなぜ目を着けなかったのだろうかってなっちゃいますもん。タイウォ頑張れ。だんだん慣れては来ている印象ですがね。

'''■ミランについてです。'''

left|jovpebnsfgorts-281342.jpg

//clear

ミランの守備は、まずローマの中盤を形成するピャニッチピサーロ、ガゴに対してですね。アッレグリはこの3人に対してはマンマークの色気を出して対応させます。見応えはファン・ボメル対ピャニッチでした。お互いの意地の張り合いです。アッレグリピャニッチが0トップということはわかってるよん、という感じです。

 ミランが嫌うのはサイド攻撃なので、どう横幅に対して守るかという話ですね。

left|jovpebnsfgorts-281343.jpg

//clear

横幅をローマに与えるカセッティとアンヘルに対する守備です。プランは3つでした。1つはロビーニョとボアテンクがサイドに救援に行く形ですね。なのでしっくりくるのがミランの中盤のラインに加わるという表現ですかね。といっても彼らは気まぐれの代表のようなもなので当然たまにサボります。

left|jovpebnsfgorts-281344.jpg

//clear

プラン2はサイドバックサイドバックの意地とプライドの対決です。こちらもザンブロッタアバーテが中盤のラインに加わるという表現がしっくり来たりします。また、アクィラーニノチェリーノも救援に来たりします。というのもピサーロとガゴはサイドバックとのパスワークも求めたからですね。

プランの3つ目はノチェリーノアクィラーニがマークを捨てていく形。といってもこれは守備のバランスを崩しかねないので、見られた場面はなかなかに稀でしたね。彼らが判断ミスしたら大変なことになりますので。

なのでローマの横幅に対するミランの守備はロビーニョかボアテンク、またはサイドバックザンブロッタアバーテが中盤にラインに加わることで対応します。また、ノチェリーノアクィラーニも自分たちの担当がサイドバックとのパスワークを求めたらサイドにも登場する、または稀にマークを捨てる。そのような雰囲気です。

left|jovpebnsfgorts-281345.jpg

//clear

また中央にはボリーニとオスバルドが登場しますが、アッレグリもそれも知ってたらしくチアゴ・シウバがマンマーク気味で行います。ボリーニとオスバルドは中央で動くことが多かったですね。なのでファン・ボメルの位置まで降りたらマークを受け渡すのが良さそうなので、受け渡そうとしますがここをもうちょい上手くやって欲しいです。ファン・ボメルがイエローをもらったり。

しかし、ボリーニもオスバルドもあまり怖さはありませんでしたね。理由は簡単です。中央にいるのがネスタとチアゴ・シウバの最強コンビだからです。彼らが相手なのに中央で動く正面衝突はあまり効果的ではありませんね。そんな中、ボリーニが負傷でボージャンが登場します。そんなボージャンミランを少しビビらせます。

left|jovpebnsfgorts-281346.jpg

//clear

ボージャンはサイドに頻繁に登場したり、逆サイドにあたるところに登場したりと幅広く動き回ります。ボージャンがサイドに開いてから中央に出てきたカセッティへ絶妙なパスを出したときはミラニスタ一同震え上がったでしょう。カセッティのトラップミスという落ちでしたがね。そんな雰囲気でボージャンは輝いていました。ネスタたちとの対決ですか。

 でも結局は攻撃を止めることが出来ていたのでカウンターをやりますね。ユーベ戦みたくはならない今のミランでありまする。

left|jovpebnsfgorts-281347.jpg

//clear

ミランのカウンターはローマの両サイドの広いスペースを起点としようとします。イブラとロビーニョはここを狙い続けました。彼らとの対決はファンとブルディッソになりますね。イブラとロビーニョにボールをキープしてから時間を作り、そこにサイドバックのオーバーラップなり、アクィラーニノチェリーノ、ボアテンクの登場などが欲しいところです。

だけど、ミランセンターバックもローマが前からプレッシングに来ていたとは言え、ネスタもチアゴ・シウバも時間がないわけではありませんでした。ローマのプレッシングはまだまだ未完成なんだなと。ピャニッチがなかなかに迷っていたのが印象的です。ののでネスタチアゴ・シウバの落ち着いたビルドアップです。いざとなったら前のパターンですね。

left|jovpebnsfgorts-281348.jpg

//clear

ここでもミランはサイドを使います。ネスタとチアゴ・シウバのフィードの行方はアバーテザンブロッタであることが多かったですね。そこにノチェリーノアクィラーニが絡んで行きます。さらにロビーニョやボアテンクも。それでたまにイブラなどもですね。

そこからサイドチェンジを多様してローマの守備ブロックを広げたいミラン。イブラの先制点はまさに理想的な形だったのではないのでしょうか。そんなわけで先制点を奪ったミランでしたが、ブルディッソがコーナーからヘディングで追い付かれましたが、今度はネスタの美しきヘディング。やっぱりすぐに点を取れるミランでしたとさ。ネスタのヘディングとか大興奮なミラニスタ一同。

試合はローマがボールを持っているけど、主導権はミランにあり。といった感じです。だけどローマはやりたい攻撃はポゼッションからの崩し。やりたいサッカーはできつつある感じです。なんだラツィオ戦は違うチームだったのね。という考え方が成立しますね。しかし、やっぱりミランの守備は固いなと実感したエンリケでしょうか。

といってもミランミランロビーニョが何故かイブラに寄っていくシーンが多かったことです。そんなことを求められていたのかは謎ですね。でもそれで攻撃の良い流れを止めちゃうんだからロビーニョはやっぱりなぁってなるミラニスタ一同。カサ坊はイブラと離れることで、イブラとサイコーに良いコンビになってるんですよね。あと気まぐれな前線の守備ですかな。

'''■後半のストーリー'''

後半からはロビーニョは代えるかなと思ってましたが、イブラと近づくのを控えるのを意識していたようにうかがえましたね。んでミランはボールを落ち着けようとします。それでビルドアップをしようとしますが、無理ならネスタもチアゴ・シウバもさっさと蹴りだします。

蹴りだすということはローマのプレッシングが機能しているかも知れないので、ローマがペースを握ります。幅広く動くボージャンがボールを引き出します。それでラメラを投入して、ピャニッチを中盤に下げて攻撃の色気をますローマ。そしたらボアテンクが怪我で、エマヌエルソンの投入で、よくわからないレッドが出て、ボアテンクが次は使えないようになりました。

エマヌエルソンは攻守の繋ぎはやっぱりビミョーだけど、守備は頑張るので良くも悪くもない交代。んで、ロビーニョに代えてカサ坊の投入でした。ロビーニョは結局代えられるんですね。カサ坊は周りの使い方が非常に上手いし、守備もやるし、攻撃の時のポジショニングがロビーニョと比べもんにならないくらい良いのが特性。だけど気まぐれはロビーニョと変わらないのは似た者同士ですね。

それでミランの攻撃の上手くいってなかった部分(ロビーニョ)がカサ坊によって解決されて、良い攻撃、カウンターを見せます。カサ坊のポジショニングの良いところは止まることができることですね。ロビーニョは止まることでのポジション取りができないのが特徴なんですが、カサ坊は一度太ったお陰か、止まることでのポジション取りが異常に上手いのが特徴です。あとは距離感の感覚は天才なんだなと。

それでカサ坊によって目を覚ましたミランの攻撃はショートコーナーからローマを突き放すゴールをイブラが決めました。あとは、頑張るボージャンにご褒美ゴールをあげてしまったミランですが、ヒヤヒヤしながら守りきって試合終了でした。ネスタはあそこで軽くなかったらネスタの日だったのにね。

'''■最後に'''

ローマのバルサ化は進んでいるらしい。と言ってもラツィオ戦に比べたらの話です。去年までバルサは好きだったから見てた管理人です。突っ込みは審判ですね。なんだか感情に任せてやってたような。。。ミランはカサ坊の離脱はかなり痛いですね。早い回復を祈ります。寂しいですね。ネタ担当のカサ坊とガッちゃんがいないのわ。ミランの守備で思ったのは、すごいウイングがいるチームには軽くひねられそうだなってことですかね。ガッちゃんが居ないのは痛い。