これからも優勝争いですよ 〜ラツィオ対ユベントス〜

'''最初にスタメン'''
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 この試合に臨む両チームの状況を整理すると、まずは首位決戦。でも実はちょっとうまく状況を掴めなかった。つまり管理人のミス。そりゃもうナポリ戦が終わってるので。。。話をそらそう。ユベントス復権に向けてスタートダッシュに大成功した。あのミランをサンドバックにしたんだから強いと思うよ。ラツィオは好調をキープしてるよう。最近ではローマダービーを見たけど、ローマが変だったのが印象的で全く記憶にないので、今回はちゃんと見よう。

 '''■レヤ率いるラツィオユベントス対策について'''

まず、基本的にラツィオは前から守備にきました。でもここで気になるのはラツィオのシステムである。そのラツィオのシステムは4-3-1-2であった。このシステムで前からプレスに行くのはちょっと辛い。サイドバックを利用したビルドアップでスカンスカンボールを運ばれてしまうのはよくあるパターン。なので工夫が必要になってくる。

今のユベントスはキーパーから丁寧に繋いでくる。んでユベントスが良い攻撃を仕掛けるためには中央のパスワークが非常に重要になってくる。なのでそこを封じたいラツィオ。だけどここの噛み合わせは非常に簡単である。ラツィオエルナネスでのピルロマンマークの徹底し、ピルロとのパスワークを遮断する。んでマルキージオビダルにもルリッチとブロッキが基本的にはマッチアップしていた。

また、クローゼとロッキがセンターバックボヌッチバルザーリにドリブルでボールを運ばれないようにプレスを掛けていた。非常に印象的なのは、前半の序盤にボールを受けるのを嫌がっていたピルロマルキージオビダルの中盤のコンビであった。でもユベントスにはもうひとつの矛がある。つまりサイドバックを利用してボールを運ぶ作戦。

でもラツィオはそこにもちゃんと対策をしてきた。どんな対策かとさっさと言うとサイドで数的不利を作らないようにして、ボールを前に進ませないようにする、そしてユベントスのサイドに行き詰まりみたいな現象を起こすのを狙ってきた。ボヌッチバルザーリピルロたちには当てられない、ならサイドバックにボールを渡す、でもボールを運べない。そんな場面はよくみられた。

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上の図のように、クローゼがサイドに流れてサイドバックを見る、そしてその左サイド寄りに居るのはマルキージオブチニッチ。そこにはブロッキとコンコがマンマーク気味でついてくる。そうやってボールを持つサイドバックにプレスを掛ける、数的優位を作らせないようにユベントスのサイド寄りに流れた選手の数だけサイドに選手を流すそんな雰囲気。

また、クローゼがサイドに流れて守備ができなかった場合にはブロッキがサイドバックにプレスを掛ける、マルキージオにはレデスマがつく、ブチニッチにはコンコがつく。とにかくボールホルダーにプレスを掛けることを忘れないラツィオ。レデスマは対面する選手は居なかったけど、なかなか忙しそう。ユベントスの右サイドでも同じような状況を引き起こそうとしていた。

そのラツィオの守備が機能していたので序盤のユベントスは上手くボールを運べなかった。でも左サイドに配置されたブチニッチキエッリーニのコンビが数的不利では無いんだから何かを起こせるかもしれないという雰囲気はあった。右のペペも。でも何かを起こしたかと聞かれたら起こしてないってのが正解だけど、個人技で状況を打開しようとしていた。

ラツィオのカウンターについてはエルナネスや、ロッキとクローゼがバイタルでボールを受けるのがスタートで、右サイドバックのコンコは右に攻撃に横幅をもたらそうとしていて、左サイドは基本的にはルリッチの飛び出しというのが目立った。また、エルナネスのパスを受けたロッキやクローゼはブッフォンをビビらせていた。ユベントスボヌッチのミスが怖かったなと。

でも前半の10分の前後からユベントスが上手くボールを運ぶシーンが出てくる。ビダルマルキージオ、そしてマトリがそれまで嫌がっていたボールを受けようとする動きを始めたことが大きい。でもラツィオもそこにはブロッキ、ルリッチ、レデスマでしっかり対応していた。でもボールを運べるかなといったシーンがユベントスには出てきた。

そしてボールを運べるシーンが増えた一番の要因はエルナネスがたまにピルロに対する守備をサボったこと。彼は真面目なブラジル人ってイメージがあっただけに悲しくなった。といってもサボるのはたまに、でもそのたまにサボったときはピルロのフィードからチャンスが作られていた。つまりエルナネスの手のひらの中のラツィオの守備か。

でもボールを運ばれたとしてもラツィオはよく守っていた印象。さすがに上位に居るチームの守備であった。でも先制を許してしまう、ユベントスのスーペルカウンターから。その中身はゴール前でラツィオの攻撃を跳ね返す、ピルロへ繋がる、ピルロからブチニッチブチニッチのパスからマトリが裏へ、マトリのグランダーのクロスからペペのゴール。組織のカウンターの最強型か。素晴らしかった。

前半をまとめると、ラツィオユベントスに対して良い守備をしていてユベントスは嫌がっていた。でもたまにピルロのマークを外すエルナネスと嫌がるのをやめたユベントスの中盤もあってボールを上手く運べるシーンが増える。ラツィオの攻撃はエルナネスを中心にブッフォンをビビらせていたいた、ボヌッチのミスが怖かった。でもスーペルカウンターからユベントスが先制した。

'''■後半について、ユベントスの守備が特殊'''

まずラツィオはブロッキに代えてアルバロ・ゴンザレスが投入された。これは攻撃への合図であった。アルバロはサイドに流れてクロスを上げたり、ドリブルで縦へどんどんボールを運んだりと存在感抜群であった。アルバロのクロスからエルナネスがポストに当てたシーンなんかは決めて欲しかったぜよと。

ユベントスは後半はラツィオの攻撃からのカウンターで簡単にボールを運べるシーンは増えていた。ラツィオが前に出てくるのから。でも、後半からは守備的に振る舞い始めたよう。ここで面白かったのはユベントスの守備ブロックの作り方である。それは後半から頻繁に目撃された。興味深いものであった。

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上の図のような守備ブロックを作っていた。中央のピルロの前の選手へプレスを掛けるのはマルキージオビダルといった様子。また、両ウイングのペペとブチニッチピルロと同じラインに居るのが特徴的であった。なのでピルロ、ペペ、ブチニッチと並んだラインの前にマルキージオビダルが居るシーンが多かった。そしてマトリ以外は自陣にしっかり引いてくる。

ちょっと考えよう。出来る限り高い位置でプレスを掛けたい、んでどうすれば良いか、ウイングが中盤にプレスを掛けるよりマルキージオビダルを高い位置に進出させてプレスを掛けるのが無理がない、んじゃピルロシステムをやろう。でもマルキージオビダルのプレスを掛けるラインを上げたらピルロの両サイドが弱点になる、ならここにウイングを連れて来よう。そう推測しておこう。

 つまり、高い位置からプレスに行くことと、ピルロシステムの弱点になるピルロの両脇を埋めるという、2つの狙いの両立を図った結果、この変則的な守備ブロックを作った可能性が高い。ちょっと追いかけてみたくなった。この守備ブロックの形は見たことは無かったので興味深い。おそらく、ピルロシステムはミランからユベントスに受け継がれ、コンテが進化させているよう。やるね。

'''■感想や思ったことを自由に'''

 試合はスーペルカウンターの点でユベントスの勝利。ユベントスはどこかのインテルと違って全員で戦うことができるチームのよう。コンテはユベントスの黄金期の選手だったそうだから、ユベントス伝統を理解しているらしい。えっと労働者だっけ。んでラツィオも負けている後半からはイニシアチブを握って攻撃を出来たことから強いなって感じた。つまり優勝争いに絡んでいけそう。

 あと、監督のレヤさんがつまらないって批判を受けていたようだけどそうでもないぞと。エルナネスが居なくなったら心配だけど、今のところは未来は明るい、たぶん。ちなみにボールを持ったときのピルロは相変わらず凄かった。ミランに帰ってくることあるんかな、無いさ。