〜マッザーリの誘いと教え〜 ナポリ対ミラン

チャンピオンズリーグバルサに引き分けてから望むナポリ戦。実際はバルサに引き分けたことで嬉しい気持ちより、ヤバいぞみたいな空気が流れてそうである。現在の怪我人はイブラヒモヴィッチロビーニョ、ボアテンク、ガットゥーゾ゙、アンブロジーニフラミニメクセス、タイウォ。彼らはみんな野獣病院へレッツゴーらしい。あと日程?って感じがする。インテルも。

ミランのスタメンはアッビアーティアバーテネスタ、チアゴ・シウヴァ、ボネーラ、ファン・ボメル、ノチェリーノセードルフアクィラーニ、パト、カッサーノ。ボネーラが左サイドバック。確かに器用な選手だけれでども心配したくなるような選手選考である。守備か。あとアクィラーニセードルフで渋滞は起きないのかね。アクィラーニは中央から消えるのか、それとも攻撃はなんとかなるのか。イブラヒモヴィッチがいたらアクィラーニも消えるだろうけどパトとカッサーノはどんなプレーをするのかな。

ナポリのスタメンはデ・サンクティス、カンパナニャーロ、カンナバーロの弟、アロニカ、マッジョ、インレル、ガルガーノドッセーナハムシクラベッシカバーニナポリはシティ戦に引き分けて挑むこの試合。えらく豪華なメンバーである。おそらくインレルがいるからそんな風に見えるらしい。カンナバーロ兄は引退したし、カンナバーロ弟はナポリのキャプテンなので弟を取るべきか。いや、しかしファビオ・カンナバーロが世界一の選手だと思っていた管理人には違和感がある。もちろんナポリなので3バックである。監督はマッザーリ

ナポリの守備と。。。

まずナポリの守備の説明から。ナポリは最初に述べた通りに、もちろん3バックである。右からカンパニャーロカンナバーロ弟、アロニカの並び。その前にボランチの位置にインレルとガルガーノ。ウインバックのような感じで右ウインバックにはイタリア代表のマッジョ、左ウインバックにはドッセーナである。ラベッシハムシクカバーニを見るとハムシクミランから見た左サイドをケアしてる、ラベッシは基本的には前線に残る、カバーニはファン・ボメルを見るような形。ミランは後ろではボールを持てたのでポゼッションはミランであった。

ここで重要なのはカバーニがファン・ボメルを見ている場面が多かったということ。アバーテカバーニがいないので深い位置まで大好きなドリブルでボールを運ぶ。でもそれはマッザーリの狙い通り。深い位置までドリブルで運んだら待っているのはアロニカ、ドッセーナ、インレルなど。カッサーノやパトが出てきても3対2なので分が悪い。というわけでボールを奪ったら狙うはアバーテの裏。ファン・ボメルを見ていたカバーニを登場して起点にしようとする狙い。

アバーテはそのマッザーリの狙い通りになってしまいドリブルを仕掛けまくるので右サイドからの攻撃はカバーニを起点としたカウンターで大ピンチを招きそうな雰囲気。話は変わり左サイドの攻撃はナポリハムシクマッジョカンパニャーロで対応する。ハムシクがボネーラの裏を狙うために裏に動いているわけではない左サイドはボネーラがボールを奪われても右サイドほどの怖さはなかった。

その左サイドのミランの攻撃はサイドに出てくるパトとボネーラ、二人に対してナポリハムシクマッジョカンパニャーロ。そしてつらいのがみんなが人に強いということ。それは右サイドも同じ。というわけで数的不利をサイドで作られたあげく、人に強い連中の集まりのナポリに止められるような展開。ナポリカンナバーロといい人に強い選手を育てるのが得意だなって思う。

さらに、いちばんに嫌なのはインレルとガルガーノの中央のコンビ。ミランは中央でのパス交換からタメを作ってサイドバックとサイドに開いた選手で勝負するのがやりたいこと。しかしタメができなかった。理由はインレルとガルガーノ。中央に出てくるミランの選手を次々に止めていくあの二人。犠牲者は主にパト、カッサーノアクィラーニセードルフ辺り。もしイブラがいたらインレルなんか知らねぇってな具合でタメをここで作れる可能性が高い。だけどいないので潰されて散るミランの中央。

なので中央が弱すぎるミランは最初からサイドを狙う攻撃が多発する。だからナポリはサイドでの数的優位を作ることが簡単になったのであった。中央でタメを作れれば良いのだけどイブラがいないので。今のところはイブラ抜きでは不可能らしい。イブラ依存は少なからず残っている。マッザーリにその弱みを利用されたらしい。

そしたらナポリのポゼッションからの攻撃もあるのが当然の話。ナポリはウインバックのマッジョドッセーナをサイドにめいいっぱい開かせる。そして中央のラベッシハムシクカバーニがポジションチェンジから崩しに掛かる。基本的にはラベッシが動き回る。そしてハムシクカバーニで中央にいるシーンが多かった。後ろからはボランチセンターバックまでも上がってくる場面があった。たしかカンパニャーロ。非常に横幅と迫力があって楽しい攻撃であった。

前半のストーリーはカッサーノのクロスからアクィラーニのヘディングで先制したけどセットプレーから最後はカバーニで同点。さらにカウンターからガルガーノがドリブルでボールを運んでから最後はカバーニカバーニのシュートは上手すぎる。

逆転されたミランは後ろではボールを持てる。しかしサイドでは数的不利を形成されて中央ではインレルとガルガーノに潰されてタメが作れない。なのでアッレグリは中央でタメを作ろとするのかサイドにアレンジをするのか。しかしベンチを眺めてもフェイント百科事典のロビーニョもいないし、もちろんイブラもいない。どうするアッレグリという前半。

◆どうするよ、ミラン

どうやらアッレグリは後半からはサイドに3人集めよう作戦らしい。特に右サイド。アバーテの援護に、ノチェリーノカッサーノやパトやアクィラーニが出てくるようになった。さらにカバーニハットトリックの後にはボネーラからアントニーニを投入、ファン・ボメルからエマヌエルソンを投入した。左サイドからも攻撃することが狙いらしい。アンカーにはセードルフが移動した

しかしいくらサイドで何かしようとしても結局はサイドである。中央でのタメからサイドとかが存在しないしサイドから中央でも中央が弱い。というわけでサイドの攻撃を強化したつもりでも全く何かをできそうにないミランの攻撃であった。さらにカウンターのチャンスでも攻守の切り替えが遅すぎてなんだかなみたいなミランであった。中央が弱い問題はイブラで解決しそうだが復活するまで、アッレグリのやりくりは注目。

しかしやっぱりイブラはいないのはかわりないのでミランは中央に人数とボールを集めて強引に中央を割ろうとする。サイドという存在を忘れて。しかしナポリの守備は単純な中央突破にもあまり動じず、ゴール前に迫られても最後のところでクリアするナポリの守備の前に残念な攻撃を見せちまったミランは3—1で負けましたとさ。さらに次はウディネーゼとの試合。日程がやはりおかしいだろ。

◆イブラは必要だよ、さてパトとは

やはりイブラは中央の弱さをごまかすために、中央でタメをつくるためには必要不可欠な選手である。といってもイブラが完璧にナポリレベルでこなせるかは疑問。というか完璧には出来ないに決まってる。だけどこんな状況ならパトやカッサーノが中央で勝負するよりイブラの方が可能性があるわけで。イブラ不要論がますますわからなくなってきた。

あと、イブラもパトも最終ラインと勝負するのが一番の持ち味なので共存は今のところはしないことがおすすめ。イブラとパトはタイプは違うプレーヤー。だけれども根本は物凄く似た者同士。だから相性が悪いと管理人は思っている。というわけでロビーニョの復活が待たれる。管理人がイブラとパトのどっちかを選ぶならば、イブラだろうな。しかしこの二人が共存したら。。。とんでもない何かがそこにあるかもしれない

方法は。どちらかが最大の持ち味を捨てること。この場合はイブラが最終ラインと勝負するのをやめることがおすすめ。イブラはあんな見えてプレーの幅がかなり広い。てか似た者同士の共存ってのは常に難しいものだ。代表チームならよくありそうだよなこんなこと。イブラとパトの場合はなんか違うけど。

そういや前に年末のミランチャンネルの特番でアッレグリは誰か1人の選手を手にいれることができるならばメッシが欲しいって言ってたな。これがアッレグリのサッカー観を忠実に表現しているとしたら。。。現実はやっぱりロビーニョか。いやロビーニョは決定力さえあればスーパースターのレベル。なので現実的にイブラ&ロビーニョかパト&ロビーニョのコンビが最適だと思うな。イブラ&ボアテンクとかあったりしたら笑えるようで笑えなかったりして。先を見ようとする妄想はこれまでにしよう。

◆最後に

この試合の内容は残念なのか、イブラが必要だと証明されたような気がするから嬉しいような。とにもかくにもアッレグリの苦悩は続いていく。みんな、早く戻ってこーい。特にロビーニョは急ぐんだ。