〜試合を壊すパストーレ〜 パリ・サンジェルマン対リヨン

両チームのスタメン。パリ・サンジェルマンは以後サンジェルマンで。





レオナルドをスポーツディレクターに迎えて大型補強をしたサンジェルマン。代表はパストーレ。なんでもこれから何年かは毎年50億円は出していけるらしいカタールの石油の金持ちさん。対するリヨンは財政の具合が良くないらしい。というわけで若手を育てるシーズンだとか。しかしそれでも結果が出ている。

そう、この試合はシーズンの前半戦の大一番。お互いに順位表の全てのスタッツも全く同じという奇妙な現象も盛り上がりの原因らしい。それにスタンドにはプレミアの選手が何人か見られた。スタンドといえばサンジェルマンのサポーター。お行儀がとにかく悪い。でも、そんなサンジェルマンのサポーターが好きだったりする。たぶん、このチームのネタ担当は選手ではなくサポーター。そして試合はサンジェルマンのサポーターの大ブーイングから始まった。

◆両チームのまとめ





おおざっぱにサンジェルマンの守備とリヨンの攻撃を表すとこんな感じ。サンジェルマンは前からプレッシャーをかけてきていた。というわけでリヨンはボールを大切にするというより前線のゴミスにロングボールを当ててからラカゼットやサイドのバストスやブリアンがボールをもらいに絡んでいく形が多かった。

ゴミスとの空中での戦いはルガーノの戦い。そのルガーノがゴミスに吹っ飛ばされる場面がやたら目立った。コンディションがかなり良さそうなゴミス。そしてそこが起点になり、ゴミスがそのままミドルシュートを放ったり、バストスやブリアンにボールを当ててのバストスとブリアンからまたゴミスといった感じ。

そんなカウンターからサンジェルマンのゴールをおびやかす。また、そんな攻撃からもらったコーナーキックでもサンジェルマンのゴールに迫る。キッカーはシェルストレームがメイン。サンジェルマンのサポーターから飛んでくるブーイングと紙を気にしてないようにゴール前にボールを放り込んでいた。

パストーレと愉快な仲間たち

リヨンの守備は前からあまり来ていなかったので後ろからのビルドアップには悩みがなかったサンジェルマンの前線の攻撃はパストーレと、その仲間たちといった印象。仲間たちとはメネズ、ネネ、ガメイロである。そんな4人の絡み方は色々なパターンがあった。

 ちなみにリヨンの守備は。





例えばパストーレとガメイロの中央のコンビがサイドに開いてメネズとネネが中央に入ってくる形だったり、ガメイロとパストーレの中央のコンビのどちらかが最終ラインとの勝負をしながらネネやメネズからの裏へのパスを待って裏へ抜け出したといった形も。なかなかにカオスな状況に突入してることもあった。でもパストーレの動きが攻撃のやり方の基準。たぶん。

でもサンジェルマンからしたらリヨンのキーパーはヨリスだし、リヨンのブロックも固いのであまり崩せた印象はない。んでリヨンもあまりチャンス!!!ってなるような場面をつくれなかったのでスコアレスで前半は終了した。

◆後半から

後半からもあまり変わらない展開であった。少し変化があったのは両チームともサイドバックのオーバーラップが少しだけ多くなったくらい。リヨンの場合は後ろからのビルドアップの行き先をサイドにしてサイドから崩して中央のゴミスにクロスを上げて合わせるような形。でも前半のゴミスを起点にする形が多かった。

サンジェルマンはサイドバックの上がりにプラスしてボランチのボドメルの上がりが目立ち始めた。前半も上がろうとしていたけど中途半端な感じだった。なので後半からはハッキリと。そしてシュートを打つ場面もあった。サンジェルマンの方が攻撃的な意識を強くした印象。ちなみに攻撃の形はメネズが左サイドに後半から移動していてそこから仕掛けて中央に入っているネネ、パストーレ、ガメイロ、ボドメルみたいな感じ。それでもリヨンの守備は固くてゴールを割れない。

そうして結局は前半と変わらないような攻撃で、手詰まりになりそうな雰囲気がし始めたサンジェルマン。しかしここでパストーレの出番である。なんと個人技でゴールを割ってしまった。リヨンからしたら一番気にしていただろうサンジェルマンの個人技にやられた。パストーレの評価はどんどん高まりそうである。

というわけで前からくるリヨン。そしてバストスとゴミスの関係に前に出てくる後ろの選手たち。中央に数がそろった。カウンターから決定機を作るサンジェルマン。そしてなかなかオープンな状況に突入していく試合。そうしてキーパー対決、シリグ対ヨリスの威圧感とセービングの対決になっていく。

パストーレを中心にするサンジェルマンのカウンターは何度も試合を決める得点を決めれそうな場面があった。リヨンの攻撃の迫力も追い付けそうな雰囲気。リヨンが追い付くか、サンジェルマンが試合が終わらせるか、時間が過ぎるか。そしたらセットプレーから試合を決めたサンジェルマン。シーズンの前半戦の大一番を制したサンジェルマンであった。

◆最後に

苦しみながらもパストーレが試合を決めた。サンジェルマンの印象はかなり自由な感じだった。ようするにパストーレたちの調子が落ちたときにどうやりくりするかが注目。でもしばらくは強そうである。リヨンも悪くなかった。だけどゴミスに依存しているような印象も受けた。まぁ大一番といってもまだまだシーズンは長いからどうなるかわからない。