マンチェスター・シティ対ニューカッスルの雑感

'''シティとニューカッスルのスタメン'''
left|jovpebnsfgorts-284587.jpg

//clear

 お互いに無敗で迎えるこの戦い。ニューカッスルに関してはジャイアントキリングを成し遂げ続けているという表現には違和感があるのだけど。ニューカッスルはこれから魔の三連戦。その一発目がシティ。もしこの三連戦で結果を残したら、異様な自信をつけそうである。ちなみに、プレミアリーグの最少失点クラブ対最多得点クラブの戦い。得失点差はシティがぶっちぎっている様子。勝ち点でも。

'''■前半について'''

この試合、立ち上がりからボール保持して攻撃を仕掛けたのはシティであった。最近、流行りの言葉で言うと、最初にイニシアチブを握ったのはシティであった。また、ニューカッスルプレミアリーグの中で一番に失点が少ないという肩書きの片鱗は見せてくれたかなと。コロッチーニプジョルに見えて仕方なかった。

シティは自分たちでボールを保持して攻撃するために、まず後方でボールを落ち着かせようとした。最初に見られたのはキーパーを後方のパス回しに加える作戦。

left|jovpebnsfgorts-284588.jpg

//clear

このように、ハートをセンターバックのコンパニーとレスコットの間に入れることで、ニューカッスルの2トップに対して数的優位を作り、後方でボールを落ち着かせようとしていた。しかし、このシーンが見られたのは立ち上がりからの数分間であった。理由はニューカッスルの守備にあるよう。

先入観の通りニューカッスルは後ろでブロックを作って待ち構えて守るのが得意技らしい。つまりキーパーの位置までプレッシャーに来ることは立ち上がりだけに抑えたらしい。そういうことでニューカッスルがさっさとプレスの開始ラインを下げたのが、キーパーを含めたパス回しが立ち上がりだけに見られた理由らしい。そうなった後は下の図のような雰囲気。

left|jovpebnsfgorts-284589.jpg

//clear

状況が変わるので、必然的にやり方を変えるシティ。シティがボールを落ち着かせるためにやった手段は、デヨングかヤヤを使った3バックポゼで後方での数的優位を保つことと、前線のアグエロバロテッリ、ナスリ、ミルナーといったメンツがボール運びに加わることでボール運びをスムーズにできるようにすること。これはナスリが多かった。そうやってニューカッスルの2トップの守備をほとんど無力化することに成功し、ボールも運べるシティであった。こんなに人数いるんかは疑問だけど。

前線の守備は意味が無いと思ったらしいニューカッスルは2トップを縦の関係に変えてベンナルファがトップ下の位置に入ることで中央に人数を集めて完全に引いて守る体制になった。おそらくこれがニューカッスルのいつものスタイルなんだろうなと。前線に残ったバはカウンターの起点になろうと頑張っていたけど、今日はデヨングが居るシティに阻まれるシーンが多かった。

引いて守りを固めたニューカッスルに対してシティはサイドにボールを集めてからの攻撃が多かった。ニューカッスルが2トップをやめたことで後方に人数を掛ける必要がなくなったので、ナスリとミルナーはサイドに集中できるし、バロテッリアグエロは中央に集中できる。そうやってナスリ&ミルナーの左サイドコンビと、ミルナー&リチャーズの右サイドコンビによるクロスが中央に大量に上げられるようになっていく。

クロスの上がった先では、コロッチーニたちとバロテッリの一進一退の攻防が続いていく。また、バロテッリに援護に行くのは右サイドコンビのミルナーとリチャーズが多かった。つまり左サイドコンビからのクロスが多かったシティ。図に表すと下の感じ。

left|jovpebnsfgorts-284590.jpg

//clear

リチャーズはバルサのアウベスみたいに常に裏のスペースを狙い続けていた。このシーンに限らず。なんでリチャーズがここでヘディングしてるんだろみたいなシーンもあった。ネタ的にはクリシーのクロスをリチャーズが合わせた得点なんかあったりしたら面白いな。ありそうでなかったけどね。

そしてコロッチーニたち対バロテッリたちの一進一退の攻防で勝利したのはバロテッリたちであった。クロスが上がった先で、こぼれ玉からのバロテッリのシュートを中央でハンドで止めてPKで、バロテッリがそれを沈めて先制、さらにナスリのクロスからリチャーズが登場で2点目。これで狙い通りに試合を運ぶ前半のシティであった。

また、ニューカッスルの攻撃はロングボール作戦で来たかというとそれは違った。コロッチーニたちも後ろから丁寧にビルドアップをしていこうと企んでそうなシーンが見られたけど、シティのプレスに苦しめられた印象。アグエロバロテッリニューカッスルセンターバックにプレスを掛けて襲い続けた。それで苦し紛れのロングボールというシーンはあった覚え。

'''■後半について'''

後半からは予想通りにニューカッスルは前からプレスに来ました。しかし印象的なのはシティが何らかの実験を始めたところ。後半が始まってみたらミルナーとナスリが二人とも右サイドに居たりするとこらがあってビビった。そのシティの後半のシステムは下のような感じ。

left|jovpebnsfgorts-284591.jpg

//clear

懐かしのヤヤのトップ下。でも結局これは何が狙いだったかは謎。プレスの徹底かと言うと、プレスは弱くなったし、ミルナーを中盤に加えて前から来るであろうニューカッスルのプレスを回避するために、ボールを落ち着かせる作戦かと言うと、そこも微妙なところ。なのでマンチーニが途中からシステムを前半と同じように戻したのが印象的。

それで控えに居たシルバを投入して、シルバのパスからリチャーズが倒れてPK勝負を決めたシティ。PKで2点も取ったシティだけど、狙い通りと言っていい攻撃からなのでそこは喜べるところ。ヤヤのトップ下へのシステム変更は一体何をやりたかったのかはモヤモヤだけど、機能しなかったという説が限りなく正解に近いのは、前半のシステムみたいに戻す行為から理解はできた。

'''■感想や思ったことを自由に'''

ニューカッスルが一点返してから3対1で試合は終了した。マンチーニがちょっとした遊び心を見せたこともあってシティが止まりそうな気がしなかった。プレミアに関しては当分シティがぶっちぎっていきそう。管理人みたいにシティが難なく優勝すると思っている人も居たりする。シティが難なく優勝するという発言は禁句か。内紛が一番警戒するべき敵かもしれない。その内紛のテベスは無断帰国した先のゴルフ大会で優勝したとか。