ミランの実験かもしれないフィオレンティーナ戦について

'''ミランのスタメン'''
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 フィオレンティーナは監督を代えて望む第1戦目。それに離脱している選手が沢山いるらしいし、対するミランが絶好調なので勝てる要素はほとんどないとか。でも期待は裏切るものらしい。モントリーヴォフィオレンティーナにはいる。ほとんどミランにくるのが決まったような選手らしい。アクィラーニとのゲームメイカー対決はどうか。アクィラーニは高級素材付きだけど。

'''■試合の前半について'''

今日のミランのボール支配率はかなりエグい数字であった。バルセロナかと思うくらいに。一般的には70%くらい。ガゼッタの数字なら60%くらい。スカパー風に言うとフィオレンティーナより20分以上上回った数字であった。ちなみにガゼッタの数字は通常より低く見積もられるので60%はかなり高いほう。ちょっとそこは何故かと聞かれると、良くわからねぇけど。

今日のミランのボール支配率が異常な数字だったのは、ボールを捨てたフィオレンティーナと、横へのパスを増やすことにより狙って支配率を高めるミランの戦い方によるものであった。縦へ早い攻撃をするチームは基本的にボール支配率はあんまり高くなることはないけど、逆は逆である。つまり横へのパスを多用するチームは基本的に支配率が高くなる傾向にある。

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ミランのネタである。横幅を広く使うためにロビーニョノチェリーノをサイドに張らせることでサイドに人数を集める。サイドを変えるのは繋げるネスタと繋げるチアゴシウバを利用しての作戦。そう、ノチェリーノアントニーニの左サイドからロビーニョアバーテの右サイドに直接サイドチェンジをするパターンはなく、センターバックを経由してゆっくりサイドを変えるパターンが多かった。

センターバックを経由することで少しでも長い時間ボールを持つことがアッレグリの狙いのひとつであると推測される。ネスタもチアゴシウバもフツーにフィオレンティーナの前線の守備なんか関係なく繋いでいた。フィオレンティーナの前線が守備を頑張ったかというと、そうでもなさそうだけど。また、今日は相手が2トップだけど3バックに変身するシーンはなかったと記憶してる。つまりフィオレンティーナの前線の守備はほとんど無力だったと。

またイブラヒモヴィッチセードルフアクィラーニは中央でボールを受ける役割を中心に担っていた。アクィラーニセードルフはサイドのヘルプにも頻繁に登場していた。つまり中央には中央で密集地帯でも繋げるテクニックのある選手を揃えてみたアッレグリである。低い位置にも降りて行く彼らは組み立てにも加わる。

横幅を使いながら長い時間ボールを持って攻撃するミランに、ゴールに繋がりそうな動きをもたらすのはイブラヒモヴィッチアバーテロビーニョの3人が中心であった。中央でボールを受けることが多いイブラヒモヴィッチはまた見えないスペースに変態プレーでパスを出してチャンスメイクをやる。ロビーニョは裏のスペースへの抜け出しを狙う。アバーテは縦への突破から仕掛ける。そして前半の序盤は隙のない攻撃を仕掛けるミランであった。

'''■ロビーニョの居る位置について'''

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前半の途中からロビーニョが居る位置が左サイド寄りになっていった。そうなった場合に困ったのはアバーテ。前に出そうとしてもロビーニョ居ないじゃんって言い出しそうな場面が目立ち始めた。そしたら横幅を使ってのボールを支配することがスムーズにできない現象が発動された。それでフィオレンティーナがボールを持つ時間が増えるようになっていった。

ロビーニョが左サイドに行けば、左サイドが密集地帯になる、アバーテが孤立する。それでアバーテの特攻が低い位置から炸裂するわけもなく、左サイドに密集地帯ができて、そこにボールが集まれば守備側からしても的が絞りやすい。現実にボールが集まったのでフィオレンティーナが守り易くなったのがミランのペースが落ちた理由かなと。セードルフアバーテの助けに行こうとしていたけど。

つまりフィオレンティーナ補正によってミランの攻撃が停滞したというより、ロビーニョの居る位置が意味不明になったことによるミランの自滅といった雰囲気が大きいかなと。フィオレンティーナ補正があたとすれば、ミランが上手くいってないとわかったようにプレスの強度を高めてきたのは流石だったなと。そのプレスに苦しめられる場面が目立ち初めて前半は終了した。

もし、アッレグリの狙いだったかというとそれもあるかなとは感じた。

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上の図のように右サイドにもアバーテセードルフアクィラーニイブラヒモヴィッチが流れてくるシーンもありはした。つまり左サイドにアントニーニ、ロビーニョノチェリーノイブラヒモヴィッチで密集地帯を作り、右サイドでも密集地帯を作ることでボールを支配するために、プレスを掛けやすくする作戦を試みたのかもねと。ちなみにイブラヒモヴィッチは両サイドともに出現していた。

だけど、右サイドで密集地帯を作る狙いは見るからに中途半端な結果に終わったので上手くいかなかったんだろうなと。ロビーニョが左サイドに行った理由を知りたい。ロビーニョの気まぐれなら笑えるところ。アッレグリの密集地帯を作る狙いなら、あの試合に向けての実験をやっているという暴論が成立しないでもない。

'''■あの試合を意識してるとしたら。'''

もし仮に、この試合がバルセロナ戦を意識していた試合だとすればバルセロナ戦のミランの表情は予想できる。一番最初に述べた効率よく攻撃ができたパターンと上手くいかなかった密集地帯を作るアッレグリの采配を材料に予想することができる。結論をさっさと言うとバルセロナから出来る限りボールを奪い取ることを試みるのではないのではないんかなと。

仮にアッレグリの采配で2つの攻撃の色ができていた場合の話である。まず2つの攻撃の共通点はサイドにボールを集めること。簡単に考えると、1つ目の狙いはビルドアップに関わる人数を増やしまくりながら横パスを多様してボールを持つ時間を増やすのが狙い、2つ目はサイドに人数を集めてサイドで数的優位を作るのが狙いだと考えられる。

2つ目の狙いで左サイドにボールが集まったのは納得できる部分も存在する。つまりバルセロナの右サイドバックのを攻撃によって上がらせないためのネタ。でもアウベスが出てくるのかは謎らしい。出てこないとか。アウベスが出てきたら有効な一手になるかもしれない。

2つ狙いを共存をさせるにはどうすれば良いのか、考えてみた結果。

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ビルドアップに加わる人数を増やすということは、センターバックからボールを引き出す選手を増やすことに等号する場合もある。かつてのミランピルロガットゥーゾアンブロジーニといったメンツでセンターバックからボールを引き出す人数を圧倒的に増やしてボールを支配したように。カカが懐かしい。

それでビルドアップに加わる人数を増やしながらサイドで数的優位を作るにはどうすればよいかと考えると、センターバックを3バックポゼで強制的にサイドに行かせて、ドリブルでのビルドアップなどを含めて、そこからボールを引き出す人数を増やす作戦はどうよと。既にパレルモ戦で見事にフィットした3バックポゼなのでそれ自体使うことは難しいことではないミランネスタとチアゴシウバがめちゃくちゃ繋げる部類なので。

このフィオレンティーナ戦で見られたものを強引に結びつけるには、こうするしかないかなと。サイドに開かせたネスタとチアゴシウバのゲームを作れる能力に乱用して、そこから引き出す人数を増やす。そうやってビルドアップに加わる人数を増やしながら横幅を使い、サイドに密集地帯を作るには。ぶっちゃけ1つ目の狙いだけで十分だろうけどさ。

といってもローマにもボールをプレゼントするミランである。バルセロナからボールを奪いとる作戦は考えられないというのが普通の意見だろうなと。さらにバルサは2トップじゃない、って意見は成立しそうに無かった。フィオレンティーナが3トップ気味で守備をしていたから。といっても矛盾だらけであるのは変わりないなと。管理人もそう思う。でも期待を裏切って欲しいなと。

'''■感想や思ったことを自由に'''

ロビーニョは後半の途中からパトと交代しました。さらに後半からやり方を前半の序盤に戻しました。そこで実験は終了したのだろうか。結果は引き分け。バルセロナ戦はどんな色のカードをアッレグリが出してくるか期待です。ガッツリこの予想外したら恥ずかしいな。絶対外れるだろうけどさ。矛盾するところが多過ぎるもん。試合を見てから判断しよう、そうしよう。今宵はミラン祭りになるかな。