スウォンジー対トッテナムの雑感

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結果は1-1の引き分け。久々にプレミアを見ました。セリエのカメラと比べたら見辛かったので、ちょっぴりストレスがたまったのが本音。でもプレミアくらいしかやってないことだし、プレミア祭りでもやって行きます。こんなこと言っても大好きなんですよねプレミアの雰囲気なんかは。

 そこで第一段はトッテナム、じゃなくてスウォンジー。色んなところで面白いって聞いたので、見るっきゃないねってわけでスウォンジー。見て時間の無駄どころか、良い発見ができたんだ。それにスウォンジーのサッカーに近いことをやっていたことがあるので何か感じるものがあった。少ないタッチと動くことでマークを剥がすこと、ビルドアップの優先順位を理解しようぜ。聴きなれた言葉である。

'''■スウォンジーのポゼッション'''

スウォンジーはボールを持って試合を進めることが目的らしい。支配率でもトッテナムを圧倒していたのが印象的。個人技で劣るはずのスウォンジーがボールを持つことができた要因を探っていく。

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まずトッテナムの基本的な守備の役割。トッテナムのシステムは4-3-3。スウォンジーのシステムは4-2-3-1。別に4-2-1-3でもどっちでもいい。で、このスウォンジートッテナムのシステムは非常に噛み合わせが良い。トッテナムからしたらこうやってマッチアップが成立したら守備がやりやすくなる。

だけど、よく見れば後方ではアデバヨール対モンクとウィリアムズで、スウォンジーが数的優位の状況を成立させている。といってもアデバヨールも守備をしない男じゃないので、コースを限定してスウォンジーの攻撃を誘導したりできそう。あ、でも後ろにはオランダ人キーパーのフォルムが居る。このフォルムというキーパーもオランダ人の代表的な特徴である繋ぐ能力を備えていた。

つまりアデバヨールのプレスを2枚のセンターバックとキーパーで無効化することに成功した。余談になるけど、オランダではフォーメーションの表記を1-4-4-2みたいに、キーパーから数えていく。攻撃はキーパーから始まるんだよってことらしい。そういった細かい意識が、繋ぐ能力に長けたキーパーを育てるのかもしれない。

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スウォンジーの面々の素晴らしかったところはマークを外す動きと少ないタッチのプレーであった。上の図のようなイメージでトッテナムの面々のマークを剥がしてボールを受けようとする。このマークを剥がす動きを全員が意識して実行する。そうすることで自分に時間とスペースを提供しようとする。

 もうちょっと詳しくすると、少ないタッチでのプレーが有効だった。それはまずトッテナムからしたら、相手がゾーンを離れてマークを剥がそうとしても、ずっとついていけば大丈夫だと考える。そこで、それを牽制したのが少ないタッチのプレーであった。つまり動くことと少ないタッチのプレーでマークを剥がす。ワンタッチプレーでは味方に時間とスペースを提供することもできる。

たぶんスウォンジーには個人技でプレスを剥がしながらボールを運べる特殊能力を持つ選手が居ない。そんな中でボールを保持するための方法として、動きまくることと少ないタッチのプレーでマークを剥がす。そうしながら、自分とできれば味方に時間とスペースを提供し続ける。このレベルを高いものにすれば、エリート軍団じゃなくたってボールを持てるぞと。スウォンジーはそのレベルが際立っていた。

また、スウォンジーはビルドアップの優先順位に非常に忠実なチームでもあった。前がダメなら横、横がダメなら後ろ。後ろにはアデバヨールに対する数的優位もできているので攻撃をやり直すことができる。縦へ進む意識が高いチームより、ゆっくり攻撃をしようとするチームの方がボールを持ってる時間が長くなる。

 そこから先について。ポゼッションは攻撃の武器というよりも、試合を支配するための武器として非常に優れている。で、ポゼッションから崩していくにはさらなる組織力の高さや、試合を壊せる選手が必要になってくる。バルサで言えばメッシだし、去年のポルトで言えばフッキ。そのような存在がいればさぞ楽しいことになるだろうねって。

そんな爆発的な武器を持ってないなら、ポゼッションは試合を支配するために使うけど、カウンターが俺たちの本当の武器なんだぜって手法も存在する。ただ、スウォンジーがそんな武器を持ってるのかは非常に怪しい。なら、どうやって崩すかって考えてるのだろうか。

 この試合からは、得点シーンに代表されるようにサイド攻撃の切れ味を感じるところがあった。あと、もしかしたらボールを持つためにやってるようにスペースを作り、そこから仕掛けていこうとしてるのかなって場面とか。もしそいう組織力を手に入れられたらもう、なんていうか、すごいね。

'''■感想や思ったこと'''

スウォンジーは面白いチームだった。動きまくることと少ないタッチで相手のマークを剥がしながらボールを持つことを試みるチーム。ほとんど触れなかったけど、トッテナムはカウンターつえぇぇぇってチームになりそうなんだけど、なーんだかボールを持とうとしていて失敗した印象。スウォンジーの監督はモウリーニョ系統の人らしい。ブレンダン・ロジャース監督。そのうち名声を高めそう。