〜全てを背負うキャロル〜 シティ対リバプール

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 結果は3−0でシティの勝利でした。この試合のリバプールは次に向けての明確な課題が出たと捉えることができれば良いけど、キャロルってダメだよねって方向に向かってしまえば明るい未来なんて待っていそうもないかなって。あと、シティは色々と言われちゃうけど、強いよねって思った試合でもあった。

'''■僕が背負わされてるものって、、、'''

この試合のリバプールはシティの前からのプレスに苦しんだ。その前プレは全員によるハードワークが際立ち、さらに連動性が非常に高いものであった。また、個人が判断ミスをしても、他の個人が判断をしてその局面をごまかすようなプレスの掛け方も見られ、なかなか優秀なシティの面々であった。

こんなシーンがあった。これはジェコがセンターバックにプレスを掛ける、それに伴いシルバがレイナにプレスを掛ける。え、ちょっとまって、これはちょっと間違ってないかってシーンがあった。そのシーンではレイナがサイドにパスを出すんだけど、ヤヤがプレスを掛けて巧いコースの切り方をする。そうすることでリバプールに圧力を掛ける。

シティの前プレの印象として全員のハードワークと、そういった判断ミスを後ろの面々で補正することの巧さ、そんな印象があった。で、リバプールはシティの前プレをもろにくらってしまいショートパスの多用からはボールを運べない様子。そこで白羽の矢が立ったのは、ワントップの位置に立つキャロルであった。つまりロングボールでキャロルに起点になってもらおうと。

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がんばるキャロル。だけど所詮孤立したような状況の中である。キャロルは攻撃の起点になるのが非常に難しい。もっと仲間たちが寄っていく必要があるけど、そんな上下運動を繰り返すことができる連中がいるのかは怪しい。トップ下が居たらサポートありそうだけど、スアレスは当分は出場できないそうだ。

ロングボールからキャロルが起点になれないなら、次にリバプールが考えたのはサイド。つまりサイドから攻撃の活路を見いだしてやろうぜって。シティのミルナーとシルバの両サイドハーフはしっかり帰還して守備をするのはうっとおしいけど、そんな中でも強引にクロスをあげることに成功した左サイドのホセエンリケとダウニング、右のジョンソン。

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クロスの先で期待されるのはもちろんキャロルさん。彼がボールを納めればチャンスだし、納めることができなければチャンスにならない。そうやって結局はリバプールの全てを託されてしまうキャロル。カイトが中央に行くって行ってもボールが集まるのはキャロル。いや、こんな理不尽な負担の中でも頑張ってる。

そうしてまた次にリバプールが活路を見いだそうとしたのは、カウンター。高い位置でボールを奪えばチャンスが到来しそう。リバプールのシステムは4-1-4-1。ここで重要なのはまたキャロル。つまりファーストディフェンダーがコースの限定などをやらないと辛いよねって。

で、そんなに守備をした印象がないキャロル。そうなればリバプールは4-1-4で待ち構えるのが得策。ユベントスみたいに特殊なことはやらない。ま、それでもカウンターからキャロルがボールを受けて、全員が勢いよく飛び出して来ればチャンス到来の予感。またまたキャロルかよって話だけど。

4-1-4-1のシステムでワントップがやることは工夫せず普通にすれば大きい。普段はイタリアのチームばかり見てるけどワントップで大丈夫なチームはマトリ&ユベントスしか居ない。マトリには抜群のポジショニングがあるけど、背負うものはキャロルほど大きくはない。得点力は二列目に多くを求められてるし、ピルロ中心のプレス回避能力により苦肉のロングボールを使うことは少ない。

失敗したけど、例えば浦和レッズ柏レイソルとの最終節では4-1-4-1のシステムで、ワントップに優れた選手が居ないから山田をワントップに配置した。これは山田に中盤に加わってもらい、起点を作れるワントップが居ないことをごまかそうとした。そんな工夫の仕方もあったりする。

この試合の場合はスアレスが居ないし、シティのプレスが良かったことが影響していた。カイトが近づいて行く予定だったとか、アダムにプレスを掻い潜って欲しかったのかは知らない。ユベントスならプレスを掻い潜る術があるけどそんなもん無かったリバプール。よってキャロルに頼るしかなくなった。なんにも工夫しなかったダルグリッシュはなかなか問題だけど。

で、4-1-4で守るリバプールはシティの後方にプレスを掛けれないので、ボランチからシルバやミルナーがボールを引き出すことができれば楽しいことが起きそう。ボールを引き出すシルバにミルナー。ジェコやアグエロが仕掛けていく。でも効果的な前プレからのショートカウンターも武器になりそう。

そして、リバプールスローインからカイトがプレスをくらってしまいボールを奪われる→準備ができてないリバプールなのでアグエロがフリーに→アグエロのシューと→レイナのミスで失点。次はセットプレーで追加点を上げたシティ。で、後半からどうするリバプール

 後半からはボールを持つ時間が増えたリバプール。原因はリバプールの変化というより、シティの変化にあった印象。ジェコやアグエロセンターバックまでプレスを掛けることが少なり、ちょっと待ち構えるようになった。そしたら後方のメンツに時間ができたから、みたいな。

 そこで、ダルグリッシュはカイトからベラミー。で、サイド攻撃の切れ味を増すことに成功したけど、やっぱり全てを託されたのはキャロル。独りで中央で勝負する。だけど勝てない。難なく跳ね返すシティ。でもバリーがやらかして退場する。しっかしシュクルテルがやらかして、ミルナーのPKで終了。その後もボールを持つけど、チャンスにならないリバプールでした。

 '''■感想や思ったこと'''

 シティの前プレがなくなった後もキャロルへの負担が理不尽なものであった。単にシティ強いってだけじゃなくて、リバプールひでぇーって思った。こんな状況の中でキャロルに活躍を求めるのは酷だと思う。イブラでも辛いと思う。スアレスが居ないことだしリバプールが試されてるときかな。なんならトップ下の優秀な選手を獲得してキャロルの孤立をごまかすのも良いかもしれない。