ウディネーゼついてごちゃごちゃ考えるの巻

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 というわけでウディネーゼ特集でござる。管理人はこのチームの謎を解くことを今季のテーマにしていた。すでにウディネーゼ関連の試合は3試合レポることに成功したが、このチームの謎は解けぬままである。しかし、これまで見た試合からの材料で考えてみる。あと、流し見した何試合かで。

 それをもとに今季のセリエに置いてウディネーゼが結果を出してる理由をウディネーゼというチームの設計がどうなってるのかを中心に考える。机上の理論なので、あんまり深く考えないように。なお、投げ捨てになりそうだが、管理人も書いてるうちにごちゃごちゃしてきて、頭が痛くなったぜ。

 '''■ウディネーゼのカウンターについてごちゃごちゃ'''

 ウディネーゼというチームはそんなにお金もない。よってサンチェスを作夏はバルサに売却することとなった。引いた相手を崩すとなると、どこかで必ず個人による打開力が求められることとなるが、そいうのは現在のウディネーゼにはない。そこでそれをどうごまかすかが最大のポイントである。

 そんなウディネーゼがどうやって勝ち点を積み上げてきたのか、ちょっと予想してみようぜってシリーズ。どう得点を奪うか、その狙いを何試合かを見た印象から考えていきます。

 それでウディネーゼは不可解な行動を取ることでそれを解決している様子。平たくまとめると、守備に大きな隙を作り、その隙をつかせるもの。その隙をつけば相手にも隙ができる。その隙を仕留めるというチーム設計を組んでいた感じ。無限ループもあるかもしれない。

 管理人が頻繁に言ってたのは、ウディネーゼは先入観と相違して、最初から守備ブロックを形成しない。それの真意はおそらく相手に隙を与えるため。その隙を与えるのはバイタルの無人化ちっくであった。

 通常カルチョの世界ではDFとMFの間のスペースを攻撃の仕掛けのターゲットとしているチームが多い。この中にどう選手を送り込み、活動させるか。つまりこのスペースを狙う。ミランはこのスペースに選手を送り込むためにイブラという最強の武器との駆け引きをする。で、問題のウディネーゼはそのスペースを相手に与える。そのスペースに隙を作ることに命まで掛けている。言い過ぎかもしれないが。

 相手からすればそのスペースに選手を送り込むことに労力を割く手間が省けることとなる。ただしウディネーゼもそれを好きでやってる訳である。彼らは極端に前がかりになり、機能しない中途半端なプレスを掛ける。これがそのスペースメイクの方法の基本形。

 イスラとアサモアは居るべき場所を離れて前プレに行く。それはDFラインと、MFのラインを開けるため。そしてウディネーゼは前プレに致命的な欠陥を作る。ディナターレが参加しないこと。それにより、ウディネーゼの前プレは機能しない。

 というわけで2ライン間のスペースを使うことが可能になった相手はそのスペースを突く。これで守れなかったら終了だよねって話。といってもグイドリンはそのリスクを承知の上で守備を構築している。もちろん通常よりリスクは大きなものとなっている。

 そのバイタルを使われたときのために3バックをやってるのかなと。例えば3トップのチームであっても、その瞬間にバイタルでボールを受けるのは1人、中央に居る人は2人。で、2トップの場合ならFWの1人が降りて使うか、SHが中央に入ってきて使うか。まさか4トップのチームはないだろうし。

 そうなった場合に3バックであればバイタルでボールを受ける選手へのアタックでCBを1人送り込む。ゴール前の相手にはマンマークに切り替えるウディネーゼだが、では2人居ればCBが1人あまるか1対1が2つできるかで数的不利が出来にくい。なのでCBの1人をカバーリングに回せる数的優位の状況か、CBが一人一役でまかなえる数的同数の状況ができ、数的不利はできにくい。

 で、ウディネーゼはCBに人に強い選手を揃えることで、そのスペースの攻防に耐えるための最善の準備をしている。ハンダノヴィっチの活躍も見逃せないところ。また、ピンツィ。イスラとアサモアが前がかりになってDFとMFの間に隙をつくるが、その距離感はピンツィによって取られてる様子。そこからの挟み撃ちまで狙ってるのかなと。

 こうやって隙を作り、相手にその隙をつかせる。隙をついた相手にも隙ができる。その隙に対しての守備の精度がが高いウディネーゼは、隙を突かれることに対して守れるが、相手は守れない。そいう状況を狙ってるのかなと。

 ただし、ボールを奪えずに攻撃を遅らせることになったり、相手が攻撃に時間を作ってきたら急に話が厄介になる。CHやSBが出てきたらどうするとか、攻撃の人数が増える場合がある。それのCBとピンツィで耐えるなんて不可能なので、その場合には5−3のブロックを作りリトリートする。相手が出てくるなら、自分らにも戻る時間はあるもんね。

 まてよ。どっちでも隙ができそうじゃんって話。隙の打ち合いでも良いが、相手が前に出てきたことによる長いカウンター。結局そうやって隙を作り、その隙を突けば隙が生まれる。で、とにかく分からんこととなるわけです。でも、相手が少ない人数で攻めてきたらどうなるって曖昧な計算問題が頭に登る。しかし3枚のCBとピンツィのところでボール奪取できれば展開は早くなりそう。

 そうなった場合に攻守の切り替えの中で隙が生まれる。それは相手の攻撃によっても変わるが、4バックの中途半端に上がりかけたSBの戻りが遅れるとか、CHのポジショニングが曖昧になっていくとか。早い攻守の切り替えが2回起きるだけでも攻守に不備が出てくることがありそう。

 例えばFWだけでバイタルを突くといっても、それで奪われれば攻守の切り替えは早いものとなる。ウディネーゼも早いカウンターを狙っているから。それらが繰り返されれば攻守の切り替えの早い打ち合いにある。よって、攻撃の人数を減らせば良いって感じでもなさそう。

 そうやって早い展開の攻守の切り替えが続くようになった場合に3枚のCBとピンツィ、ハンダノヴィっチで守れるウディネーゼが優位に立てる可能性が高い。そうやってよくわからん守備からカウンターを狙う訳です。また5−3でリトリートするにしても、相手が前に出てくるので隙が生まれる可能性が高い。いかに隙を作りカウンターを狙うか。これがテーマじゃなかろうか。

 '''■最後になんなりと'''

 3枚のCBによる守備の精度を利用して、色んなことをやろうとしてるんじゃないのかなと。色々と曖昧な計算問題が生じそうだが、狙いは2つ。隙を作ることによる打ち合い。また、彼らが攻撃を遅らせることによって攻撃に人数を掛けてもリトリートできること。それによる、ロングカウンター。今回は、何よりウディネーゼを紐解く鍵は3枚のCBにありそうであるってことくらい。さーって、ウディネーゼはよくえわからんね。

積み上げた物はどこへ行く 〜レッチェ対インテル〜

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スカパーにキエーボ枠とラツィオ枠ができそうな今日この頃。というわけでミランユベントスのサポーターはビクビクしてるんじゃないのかと。ただ、彼らの枠は維持できても、どーーーせウディネーゼやローマやナポリはやってくんないのは、わかりきってることなのでスカパーからの撤退が決定した。まるでスカパーのありがたみを感じない。

ミランインテルは、ミランチャンネルとインテルチャンネルがあるので対したダメージはないはず。CLさんはJスポに頑張って頂きましょう。BSスカパーでもやってくれるもんね。さらにSopCastという最強の武器を手にいれた管理人は、日本でウディネーゼとローマを見ることに成功する予定だ。配信元は色々と考える。ぶっちゃけSopCastだけで良いのかもしれない。パソコンもTVサイズだし。

スカパーに契約したところで、見たい試合やチームを見れる保証のない環境で、それと異なる方面にサッカーファンが流れて行くのは至極真っ当な現象かなと。Jスポの話だが、今度のプレミアの放送でスウォンジーチェルシーの放送がないのが全てを象徴してる気がする。こいうことに真剣になって考えて欲しいものよと。セリエ優勝争いのミランとユーベが天秤に掛けられたら終わりだな。

 '''■復習と、ちょっとしたまとめ'''

ラニエリはトリクアルティスタ型442という根本的な形を維持したまま、マイナーチェンジを加えてインテルを進化させる道をたどるのかなと思っていた。それならラツィオ戦の話はまだわかるけど、今回はスナイデルのスタメン復帰。それによりトリクアルティスタ型442の形も影もなくなり、スナイデルのトップ下の4312。というわけでチームは原点回帰である。もちろんめちゃくちゃ悪い意味で。

それについて話す前にトリクアルティスタ型442の改善点をまとめよう。つまりマイナーチェンジを加えてみれば良いんじゃないのってところから。まずは守備に関して。赤色はトリクアルティスタ型442のインテルに置ける守備の弱点。良い表現を使うと、居るべき場所から消えて攻撃参加する選手達。

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インテルの弱点となりうる部分は左サイドに集中されている。あとは右SBのマイコン。彼らは居るべき場所を離れて行動する。その理由は攻撃によるものが大きい。そこの部分とのリスクと戦う必要があったのが今までのインテルミラノダービーみたいな試合をできれば話は別だが、普段はボールを持たされることが、どうしても一応ビッグクラブなので多くなる。

4−4−2の場合、中盤の4とFWの4を繋げる作業が必要になってくる。2トップが孤立すれば後方と前線が繋がらない。そこで今までのインテルは左SHのアルバレスをトップ下のように振る舞わせることで、その問題を解決した。左SHを持ち場から離れてさせることで左サイドにはあることが起きる。ひとつは攻撃に横幅ができないこと、ひとつはSBの目の前から人が消えること。

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答えは簡単。SBを空いたスペースに上がらせて横幅を確保すること。そうすることで攻撃の人数も自ずと増える。横幅というなら右サイドも。右SBのマイコンにより右サイドに使える仕様になっている。ただし、この2人のオーバーラップのやり方は大きく違う。長友はスペースを与えられたから上がるが、マイコンは時間を与えられるから上がる。

この2つの違いは守備に大きな差を生む。アルバレスが持ち場から消えることで長友はスペースを得て上がる。サネッティかファラオーニの右SHがボールキープによりマイコンは時間を得て上がる。根本的に違うのは近くに人がいるかどうか。マイコンが上がってもサネッティが近くにいる右サイドのリスクマネはそれで間に合うが、長友の裏は曖昧にされていた。

といっても左SHが中央に行かないと、2トップが孤立するし長友が上がれずマイナス1が生じる。それはこの試合の後半途中で入ったサラテが全てを象徴している。なのでボール持たされたインテルは必然的にリスクと戦う必要がある。そのマネージメントの方法はたくさんあるが、それはうやむやにされたままである。それを長友の走力でごまかすのかなーということは何度かあったけど。

また、攻撃の話を進めると仕掛けの部分への課題。平たく言うと引いた相手を崩せない問題。こちらもボール持たされたときの課題だが、ここもうやむやにされたまま。裏狙いやゾーンの隙間でボールを受けようとする選手が少なく、相手のミスがない限り崩せない問題。前プレの跳ね返りくらいでしか自力でチャンスを掴めない。それちっくな方法でカウンターもあるが。

攻守において、それらの部分をどうするか。ここにマイナーチェンジを加えていけば、インテルは強くなるんじゃないのかと。それまでそのうやむやはなんだかんだで隠されていた。でも、勝ち点を落とすならここだよねって掴み所でもある。そこをどうごまかすか、そこにこれからのスポットライトが当てられるはずだった。

これでは悪かっただけみたいだから、良かった部分を。それやはりバランスが維持されてる錯覚があること。ボランチが2枚居るべき場所に居るのが大きい。また、右サイドではサネッティによるリスクマネがある。左サイドは相手がそこを狙ってなかったり長友の必死走りだったり。攻撃ではアルバレスを中心に攻撃の形の基本像を作ったこと。また、4−4−1−1で4−4のブロックを形成できるようにしたことは大きい。

それまでの4−3−1−2のインテルは前線が全く守備をせず、4−3で待ち構え、サイドを使われまくれ守備が終わっていた。その真意は4−3で守る場合に中盤の守備範囲を3人で対応する難しさにある。両サイドにSHとSBの攻撃参加にSBの一枚で対応するのは至難の技。それを3人の中盤がスライドすることで補うのが通常だが、サイドを変えられたら色んな部分に危険なものが待っている。

そこで守れるチームもあるが、インテルは守れてなかった。ラニエリが就任してからも何度かそんな事態にしていた。そこで4−4−2でもともとの守備の人数を増やしたのは偉かった。それでミラン戦みたいに2トップに守備をやらせた辺りまでは、順調だった。あとはボール持たされたときの攻守における課題の克服のために、マイナーチェンジを加えて行き克服する。それで強くなるはずだと。で、その期待は裏切られた。その試合の前半を振り返る。

'''■試合の前半だけを振り返る'''

ラツィオ戦の前半ではマイナーチェンジに失敗しただけかなーって感じだったけど、後半からは明らかに違った。システムを完全に変更して、積み上げの跡形もなくなったがオプションなら良いかみたいな感じだった。レッチェ戦ではスタメンから積み上げを破壊する気満点であった。で、破壊されたのは文字通り積み上げた442、手に入れつつあったバランス。壊しすぎ。

 前半を簡単に振り返るとボールを持って攻撃するインテル、守ってカウンターを狙うレッチェという構図。この展開の中で、やりたいことができていたのはレッチェの方であった。しかし、前半の30分くらいから運動量の低下と、インテルが3バックの弱点となりうるスペースをりようし始めたことで、決定機を与えたが何とかしのいで、ジャコマッツィの先制点も決まり、前半をリードして終えたのはレッチェ

 インテルがボールを持っているので最初にレッチェの守備を見ていく。

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 印象的だったのはブラージとスナイデルのマッチアップ。もしアルバレスを使い4−4−2の場合は、左SHからスタートする。この場合、サイドから中央に向かうことになる。サイドから中央に移動する利点として、プレスを掛かりにくい部分がある。また、相手の気持ちになってもそいう動きには対応がやりにくい。

 逆にスナイデルは中央から、中央でボールを受けることが多かった。ブラージとのマッチアップが限定されていて、人が密集することが多い中央なのでボールを上手く受けることができない。アルバレスだったら、掴みどころの無いポジショニングでボールを受けて、後方と前線を繋ぐことができる。ただ、ボールを受けれないスナイデルはそいうことができない。

 というわけでポジショニングを変更するスナイデル

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 ボールを触りたがったスナイデルは極端に表すと図の位置くらいまでポジションを下げることにした。これがビミョーな一手で、スナイデルが下がるのと同時にミリートを1列下げる。そのラインで前線と後方を繋ぐ狙いがあったのかもしれないが、その前線がパッツイーニの独り。レッチェは3バックでゴール前に人数を集める→彼らのアタック&カバーでゴール前の攻防に勝利していく。

 ゴール前に人数が足りないインテルカンビアッソやオビや稀にサネッティやSBをゴール前にに突撃させてみたり、目の前にスペースがあるSBでサイドから攻撃させようとする。そうやって攻撃に横幅を加える狙いもある。これらがレッチェの守備陣に混乱をもたらしてくれそうだが、それより先に、その形振り構ってられない攻撃のしわ寄せを喰らうこととなった。

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 狙いは上がったSBの裏を中心にという雰囲気。頻繁に見られたのはムニエルやディミケーレマイコンの裏へ、ルシオが引っ張られたらサムエルも引っ張られる、そしてスピード勝負に負けるサムエルは何度も突破を許し、さらされるセーザル。カンビアッソがゴール前に上がるようになってからはその裏のスペースも狙い始めた。元来、マイコンの裏より、リスクマネが曖昧な長友の裏が弱点であったが、両方弱点ならって戻りが遅いマイコンの裏を中心に狙いまくるレッチェはいやらしい。

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 インテルはリトリートした場合には、4−3で守る。レッチェはWBを高い位置に進出させて横幅を確保し、CBを上がらせ攻撃参加させる。またジャコマッツィとオリベーラも出てくることでサイドで数的優位を形成する。この辺りはインテルが4−4−2でくるとレッチェは思ってたのかなーって想像した。

 もしここで、効果的なサイドチェンジがもっとあれば、インテルが大崩れしたかもねとかも思う。得点シーンは両CBのサイドチェンジをした覚えもある。で、レッチェはこんな風に引いた相手を崩す準備もしていた。これにダゴスティーノみたいに左右サイドにに振れる選手が居ればって思ったが、押し込んだらSBの裏を狙うカウンターはできないので、インテルにポゼッションを譲るくらいがちょうど良さそうな感じ。

 そんな感じで、レッチェがやりたいことをできていて、攻守にレッチェペースの試合は、レッチェのボールホルダーへの寄せが甘くなり始めたことと、インテルが攻撃の意識を変えてみたことで流れが変わる。

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 いわゆる3バックの弱点となりうるスペース。パスの出し手も、レッチェの運動量が落ちたことともうひとつ言うならば、カンビアッソたちがどんどん前に出てきたことでラインが下がってしまったことで、プレーしやすくなった。で、CBとSBのダイナゴルのスペースでの攻防が増えたことで、インテルは何度か決定機を迎えたが、べナッシオのファインセーブや、CBの頑張りによってゴールを阻まれていた。

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 それで失点もしたインテルは、後半からは4−4−2に戻すが、SBの裏を取られまくるリスクが消えなかった。特にマイコンサイド。この裏は前半から狙われ続けていたが、一度狂った歯車の修復は困難のようでどうする。というか、マイコンの裏を取られる問題はアルバレスを目の前に置いても変わらないよね。

 コーナー以外で決定機を作れないインテルは、交代策などで追いつこうとするが、サラテが身勝手なプレーで、色んな部分に悪影響を与えて終わった。長友の上がるスペースを消して攻撃の人数をマイナス1、愛の無いクロスに、味方と時間とスペースを共有する意識がない独りよがりのプレーに終始という。。。

 '''■最後になんなりと'''

 スナイデルの復活で4−4−2から4−3−1−2。大人の事情か。そして、積み上げたトリクアルティスタ型442の、そのサッカーはなんだったんだって話で、良くしていくにも変えすぎ。中心のアルバレスはベンチスタートだし。それで全く違うチームになり、なんだかよくわからない状態にチームは突入している。それで攻撃のやり方も変えバランスを破壊し、サネッティの右SHで補完していた右サイドの裏まで弱点にしてしまうんだから笑えない。明らかに悪くなってる。

〜ネクストムンタリを忘れるな〜 ユベントス対ウディネーゼ

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 結果は2−1でユベントスの勝利。ホームなのにピンクユニのユベントスは、前回に続きウディネーゼに守備形態を合わせる形で試合に入る。逆にいきなり前プレにしくじったウディネーゼエスティガリビア対ハンダノヴィッチというゴール前の攻防を成立させてしまった。前プレをかわされると前線にオープンな状況ができる可能性が非常に高い。そんな入りを見せた試合を振り返る。

 '''■噛み合せは続く'''

まず、最近のユベントスはらしくない。とーーーってもボールを大切にする。それで、ちょっと欲を言えば、もっとウディネーゼに前プレに来てもらいたかった。ボール運びに苦しむんだけど、回避できたらその跳ね返りというかご褒美で、前線にオープンな状況が生まれやすい。しかし、ウディネーゼは結局後方で守る。

 いきなり前プレに失敗して、ユベントスの前線にオープンな状況を作らせてしまったウディネーゼだが、実際には後方でブロックを作るのが得意だぜってことで後方にブロックを作る。バスタとバクスアーレがユベントスのWBが居る位置により高さを変えるが、基本的に5−3の形でブロックを形成する。さらにアブディをピルロにぶつけることで、ピルロを中心にしたサイドチェンジで振られることをを警戒。

それでボール奪ったらカウンターだぜってことだが、アルメロがボール運びに異常に貢献していた。ユベントスが攻撃で前に出てきた隙を狙うカウンターという形。その隙は攻撃に出てきたことで生まれるスペースの話。で、それを利用するアルメロはドリブルを中心にボールを運ぶ。スピードに乗って運び。調子に乗って運ぶ。調子に乗りすぎてムンタリちっくな笑いも提供するネタっぷり。

ウディネーゼのカウンターは、アルメロやイスラなどに素早くボール運びをさせて、ディナターレも降りて絡んで来れば素早いカウンターからからチャンスを掴めそうだなって感じであった。でもユベントスが攻撃を遅らせる方法は色々。ユベントスは攻撃を遅らせることができれば例の守備ブロックを作る。そうなった場合でも崩したいウディネーゼだが、そいうことはあまり出来なかった。

 例のブロックとはウディネーゼにシステムを噛み合せる守備ブロックである。ウディネーゼの特徴の解説をちょっとすると、ディナターレはCFの位置から左寄りに降りることが多くなり、両WBはサイドに張る、イスラはかなり前に出て来る、アブディは中央によくいる。ユベントスウディネーゼ対策としてシステムを変えて、その中のマッチアップもウディネーゼの特徴も踏まえ準備して来た。

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 コンテの狙いとしてはシステムをウディネーゼに噛み合わせることで守備をやり易くする狙い。それはゾーンの中にマンマークを組み込むのを容易にすること。そのマッチアップも相手の特徴を踏まえて準備してきている。また、中央のピルロの負担という部分でも両脇を組織で対応してくれることで、ピルロが左右に降られる事態はなくなる。こうやって柔軟に守備を変えられるのは今のユベントスの強みかなと。

 ウディネーゼが崩せなかった理由は色々と考えられる。ひとつは両脇のCBのフェロネッティとドミッィが効果的に組み立てに加われなかったこと。マトリとクアリャレッラは基本的に前線に残るけど、前プレはやる。そこをかわせなくてロングボールを蹴ることが多かった。後は、文字通りボールを運ばせてもユベントスウディネーゼ対策の準備された守備によるものが大きい。

 ピンツィが居ればもっと攻撃に幅が出たかもしれないって思うところもあるっちゃある。といってもジェウソンフェルナンデスも守備に相当貢献していたので、何だかなぁーって感じ。というわけでウディネーゼはカウンターを中心にチャンスを掴んでいくこととなった。

 ならユベントスの攻撃に話を戻そう。前線にオープンな状況を提供するのは例の守備からのカウンターという形もある。前回の対戦ではもうちょっとそいう形が多く、カウンターの応酬みたいだったが、今回はそこまで無かった。という訳で、遅攻主体で攻撃を組み立てる。

 ボール運びに苦労は無いが、5−3か3−5かはどうでも良いが、その代償に引いたウディネーゼのブロックを崩すのには苦労がつきもの。その攻撃を見てみよう。

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 アブディによりピルロを封じられたユベントスだけど、だいたいこんな意識で攻撃を構築していた。で、大きかったのは目の前にスペースがあるジョルキエとバルザリによる組み立て。これで攻撃の人数が増えるという側面もあり、非常に効果的であった。その2人はアブディの真横を通る。そこでアブディが、ピルロを捨てて寄せようかと迷っていたのが印象に残る。結局はそいう判断ができなかった。

 もともとはサイドにWBしか居ない訳だけど、CHとFWをサイド付近からダイナゴル付近に送り込む。それが良かった。そしてサイド攻撃みたいなのを仕掛けて行く。また、WBの能力の高さという武器もある。それらがなかなか機能していた。守備のために始めた3バックを進化させていってるらしい様子。 といってもウディネーゼのシステム上、そいうスペースへの対応が曖昧になるとの考えも背景にあるね、きっと。

 で、なんだかんだしてるうちにウディネーゼの守備に綻びが出てくる。原因は調子に乗ったアルメロ。自分を攻撃の主役と勘違いしたアルメロはいつの間にか、守備時に居るべき場所から消えることが多くなった。ピルロ番のアブディがアルメロの位置を埋めている。そこでピルロへの対応が曖昧になっていき、ピルロ絡みのサイドチェンジが起点とも捉えられる点をマトリに取られてしまいましたとさ。

 '''■ピルロを解き放つグイドリンって、、、'''

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 後半からアブディに代わってフローレス。2トップ気味にシステム変更。何をやりたかったんだう。明らかにピルロの位置の選手を消した。結果的にも失策であった。なんだかんだで前半の途中から時間とスペースを手に入れつつあったピルロだが、さら手に入れることとなった。バルザリもジョルキエも自由なままで。

 そこで不都合だったのはグイドリンかコンテか。ピルロがあからさまに時間とスペースを手に入れ自由になったことで、長い時間ボールを回すことが可能な状況になった。振り回されるウディネーゼ。ただ、この状況が不運も招きウディネーゼのカウンター時に一層オープンな状況を提供することとなった。

 ピルロが時間とスペースを手に入れたことで、周りのメンツもそれを手に入れ、前に出ていくことが簡単になった。この状況がユベントスの選手を居るべき場所から狩り出す。でもそれは、ウディネーゼのカウンターの威力が増しますよってお話。グイドリンがそいう駆け引きをやったのかは謎だ。たぶんやっってない。フローロ・フローレスの気まぐれなピルロへの守備がわかりかねぬところで。

 それで後半に2点入る訳だが、その形がメチャクチャ切なかった。バルザリの変なミスパスからイスラのインターセプト。ドリブルで運んで、フローレスのフィニッシュ。リヒトシュタイナーのなんだかよくわからんクロスからマルキージオの閃きか何かわからないパスから、マトリのドピエッタ。で、ピルロに時間を与えすぎたウディネーゼは振り回され、バテで滅びましたとさ。

 '''■最後になんなりと'''

 アルメロという選手が面白かった。実力はあるのにムンタリっぽいところがある。スゲーって思ったら、次の瞬間に意味不明なハンドだったり、守備をいきなりサボり始めたところとか。アブディがアルメロの居るべき位置で守備をしていたのは笑えた。そして、ユーベの無敗は続く。

 ピルロへの対応をおろそかにするという部分が、全体にどんな影響を及ぼすかが重要なので、それについて少し。まず、ピルロを自由にする=ピルロに時間とスペースを与えることで、ピルロが自由なっちゃうと、彼の特殊能力により、味方にも時間とスペースが提供され自由になれる。

 その味方に時間とスペースを提供する方法は、大方が異常に精度が高いパスによるもの。また、それによって攻撃に時間やリズムと幅も作れる。これだけの影響を全体に及ぼす可能性がある。しかし、ピルロ対策に集中し過ぎると、他のメンツにやられる嫌いがミラン時代からある。そこの兼ね合いも大切。

意味不明だったインテル対運が悪かったラツィオ

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 結果は2−1でインテルの勝利。ラツィオインテルの守備の隙をついたような、ロッキがうまかったようなゴールで先制するが、見たことないような崩しからミリートのフィニッシュでインテルが同点。んで、後半に変な形からパッツイーニが決めて逆転。正直、引き分けで良かったよねって感じの試合であった。

 内容を平たくまとめると、お互いに事故にあったようなサッカーをしてしまった前半、それを修正しようとし合う後半という風に試合は進んだ。ということで最初に両チームの前半の事故から見ていく。

 '''■ラニエリのミスと、ラツィオの歪'''

 スタメンを見て思うのはまたやっちまったかラニエリということ。いくらモッタが居ないからってこれはない。このメンバーならキブをCHへ、サネッティを右SHへ、ナガティエッロを左SBでイイじゃんと。てか、ベンチを見てみるとファラオーニが居る。彼を右SHで使うのは何度もやって成功しているんだから、今更何をって、、、これがラニエリらしいんだよね。

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 例えばこれがインテルのこれまでのサイドであった。右ではSHが時間を作り、良いタイミングでマイコンを使う。左ではアルバレスが2トップを孤立させないように中央に進出する。そこで空いたスペースにSBを登場させることで横幅を確保し、SBの突破力により、サイドから攻撃する。またそうすることで攻撃の人数が増えることになる。

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 それでインテルはそこに、その役割において不向きな選手を配置したことで、サイド攻撃が停滞することとなった。この場合は左SBのキブと、右SHのナガティエッロ。右は長友が時間を作れないのでちぐはぐな状態。てか同じようなタイプの選手を同じサイドに居ればそりゃちぐはぐになるって。左はキブが押し上げることが得意じゃないので、サイドを機能させることがなかなかできない。

 ラツィオのシステムは4−3−1−2。もしサイドチェンジをされたら大崩れする嫌いがある4−3で守ることとなっても、インテルのサイド攻撃が機能してないので非常に守りやすい状態。それにプラスして、クローゼもロッキもエルナネスも守備をする仕様のラツィオは守りやすそうに試合を進める。

 といってもラツィオラツィオで、ルシオの自滅のようなミスが無ければインテルも守りやすい様子で試合は進む。インテルほどじゃなかったけど。で、その原因はラツィオの攻撃の設計にあった印象。

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 ラツィオはクローゼがポストプレーというか、インテルの4−4のゾーンのから出ることでボールを受けようとする。またはレデスマが前に出てくることで中央付近を使う。で、サイドにインサイドハーフアルバロ・ゴンサレスとルリッチを送り込む。アルバロやルリッチがサイドから仕掛けていくシーンは頻繁にあった。見たことない攻撃の気がする。だけど、この攻撃に問題を感じた。

 ひとつの問題は中央で消えたエルナネス。クローゼとレデスマがそんな風に動くからかエルナネスは中央に居る時はよく行方不明になっていた。プレースペースが無かったのかなと。ただ本来の彼は中央でもボールに巧みに絡んでいって、ドリブルやパスなどでチャンスメイクをしたり自ら仕掛けていく。中央以外ではそうじゃなかったけど、いつもより中央で消えていた。

 もうひとつはサイド攻撃にあった。ザウリもラドゥも決して攻撃に厚みを加えることができない選手じゃないんだけど、あまり上がってこない。というより、そのコンビネーションがあんまりなかった。ということでサイドからは単独で突撃していくことが多くなった。そんな中で何度かルリッチは良い突破はみていたんだけど、面白いシュミレーションで笑わせてくれた。

 という訳でお互いに攻撃が事故したような状態。特にインテルは重症である。ラツィオはそんなに悪いわけでもないけど、良いとも思えなかった。で、攻撃を改善しなきゃって訳で事故に対する対応が求められる。動いたのは重症のインテルであった。前半18分くらいからアルバレスとナガティエッロの配置を変更した。ナガティエッロって誰って思った人はすいません。長友のItalianなあだ名でござる。

 この変更によって右サイドのちぐはぐはちょっと解消された。中央に進出する意識が強くてサイドに居ても時間が作れる選手と、縦への推進力を持つ選手の右サイド。そりゃその組み合わせのが上手くいくって話。同じタイプの選手を同じサイドに置くのは、どちらかの良さが消えるか、ちぐはぐになるか。インテルマイコン&ナガティエッロは後者の状況に直面していた。

 次に左サイドを見てみると、そちらではナガティエッロが移動している。右SHより左SHがやりやすそう。原因はマイコンに気を使わないでよくなったから。でも、キブが全然援護してくれないから単独突破。といってもキブの上がるスペースはナガティエッロが埋めてるんだけどね。

 そんな時間帯に膠着ちっくの試合の中でもロッキの一瞬の飛び出しから先制点が生まれる。このシーンだけ異常に守備が緩くなった。カンビアッソのボールホルダのレデスマへの寄せが甘いとか、ルシオのライン下がりすぎじゃないのかとか、いろいろ。ただ、ダイレクトで叩き込んだロッキさんはスペースを見つけたことも含め、素晴らしかったなと。

 先制されたインテルは、さらに変化して前半35分くらいからカオスな状況に突入していく。アルバレスが右SHだったのに、守備時になんだか逆サイドと表現できる場所にいたり、サネッティがまるで右SHの意識でプレーしていたり。そんな時間帯にインテルは見たことないような崩しから追いつく。こんな崩しをできればいいねって感じ。ミリートもらしく決めた。

 '''■膠着しままなんだけど、、、'''

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 後半からお互いに選手交代をする。理由はいろいろ。キブからオビ、アルバレスからスナイデルエルナネスからマツザレム。レヤからしたらエルナネスの部分は消えてるくらいなので今日は要らない。そこで4−3で守るリスクを避けるためにマツザレムを投入して4−4のブロックを形成する。インテルが後半から特にサイドの攻撃の部分を修正してくることをわかってのことだろう。

 インテルはそれまで、キブが上がって来ないので攻撃の人数がどうも足りない。マイコンもそんなに上がりやすい状況じゃない。ってことでの4−3−1−2へシステム変更。目の前から選手を消すことでSBにスペースを与える。キブが上がらないのはナガティエッロを左SBで問題を解決しようとしたのかなと。

 さらにラニエリスナイデルからマイコンのサイドチェンジを狙っていた様子。4−3で守るラツィオのサイドチェンジに対する危うさに付け込もうと考えていた様子。それでマイコン対ラドゥを成立させて、そっから仕掛けようと。ラツィオからしたら、そもそもサイドチェンジをやらせなきゃいいわけだけど、スナイデルの展開力って武器を使う狙いなのかなと。

 ルリッチはこの場合なら中央を開けてはならないんだけど、ラツィオは4−4のブロックへと変更している。よってスナイデルからマイコンのサイドチェンジはこうなった。

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 ラツィオはゾーンの外に出るスナイデルのサイドチェンジの妨害をあまりしなかった。といってもサイドチェンジの先では数的不利の状況。ここから仕掛ける狙いだったんだけど、マイコンは仕掛けることができなくなちゃった。ここまでレヤが読んでいたら凄いが、たぶん偶然。それでもしめしめしてるだろうレヤ爺さん。

 インテルとしてはSBに上がるスペースを提供して、SBによるサイドからの突破。さらに低い位置にスナイデルを降ろして彼のの展開力によるでサイドチェンジを多用して、4−3のブロックを崩したかったのかなと。しかし4−4ブロックのラツィオは読み違い。サイドで1対1が全然成立してくれないので困ったインテル。カオスな前半終了間際の攻撃は悪くなかったんだけどね。

 ならインテルは4−3−1−2に変身してる。トラウマが蘇りそう。つまり逆につけこまれるんじゃねって感じ。というわけでシステム変更後のインテルの守備を見ていく。

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 こんなとんでもない意識で守っていた時があった。ここで万が一ボールを運ばれれば一気にピンチへ。ここでカンビアッソのところまでクローゼが引いてくれば楽しいことが起きそうだけど、後半のクローゼはそいうプレーが何故か少なかった。エルナネスが居れば、、、って感じだが、あっちをとればこっちが持たずで考えてもしょうがないのかなと。

 なら前から守らなかった時の、4−3で待ち構える後方での守備はどうだって話。後半からはラドゥもザウリも上がって来ていたが、サイドを変える意識がそんなになかった。スナイデルがレデスマとマツザレムのところで、サイドチェンジをさせないようにしてもいたのもあるんだろうけど。

 そんな感じで膠着状態の試合はパッツイーニのなんだかよくわからない逆転弾で動くことになった。ミリートの逆オフサイドトラップが効いいたとか、なんだかんだ理由はありそうだけど、パッツイーニのシュートはうまかった。2トップ揃って得点である。

 でアルバロ→コンコ。サイドチェンジをしないなら、そのサイドからの突破は強くすればいいじゃんと。ただ、ザウリ→コンコでよかったんじゃねっては思った。次にラニエリミリート→ファラオーニ。システムを4−4−1−1に変更で守備固め。なんだか危うい4−3−1−2の守備を考えれば当然かな。

 守備固めのインテルに対してレヤはザウリ→シセ。システムを4−3−3に変更。ここからラツィオが攻撃的に振る舞い、インテルがカウンターで試合を決めようとする展開へ。で、なんだかんだでお互いに特にチャンスが作れず終了。引き分けが妥当だったかなって内容だけど、インテルの勢いを象徴してるんじゃないのかなと。ただ、良くない内容を結果がごまかしてるって考えもできるね。

 '''■最後に'''

 ラニエリは修理屋としては素晴らしいことを成し遂げたけど、そこからマイナーチェンジを繰り返しチームを強くするのが、、、って感じのような気がする。ただ、勝ってる今のチームをいじる必要はあるのかねって。そこから進化させるにしても、何をやりたいのか意味不明。心配だね。

〜アドリブと決まり事〜 ノバーラ対ミラン

 結果は3−0でミランの勝利。これでコッパイタリアでもノバーラを倒していたため、公式戦2連勝。試合を平たくまとめるとボールを持って攻撃するミラン、守るノバーラという構図。で、前半は0−0だったが、後半からシャーラウィを投入して、エマヌエルソンを左SBへ。この2人の活躍が際立ち3点も奪いミランが勝利をおさめた。ノバーラのバックラインは5バックで、攻撃する前半15分までのミランを見ていく。

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 ビルドアップの局面を見てみると、ファンボメルにはマスカーラが付いていた。といってもその後ろでは数滴優位が形成されているのでボールを持つことには苦労しないといった様子。また、リゴー二が襲ってこないならアンブロさんはほぼ自由で散らせる。で、後方からビルドアップに成功したら、気になるのはロビーニョが相当左サイドよりでプレーしてること。そしたらミランの攻撃は自然と左サイドからが多くなった。

 ノチェリーノは相変わらずどんどん前に飛び出していくし、イブラは中盤まで降りていく。だけど、バランスがちょっと悪い。システムが相当左に偏って、攻撃も左に偏るミランロビーニョをサイドに完全に追いやった理由がシュートが下手くそだからだったら楽しいな。

 前半16分にちょっとした変化が起きる。ロビーニョが右サイドにも登場し始めた。だけどあっちをとれば、こっちがもたずで、バランスがまた悪くなりそう。そこで、エマヌエルソンが右ウイングのように振る舞い始める。これでバランスの悪さは解消された様子。またこの2人はサイドを変えたりもしていた。ビーニョとエマヌを間違えまくったのは内緒だ。

 そうやって変化したなかで気づくのは2トップ+トップ下の面影なんてないなって。ロビーニョエマヌエルソンはほとんどウイングだったり、イブラは中盤に降りて組み立てに加わったり。あと、イブラが中央に居座ることがこの試合ではあまりなかったので、ノチェリーノインテル戦より上がりやすそう。

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 またこんなふうにエマヌエルソンが居るサイドにボールがある場合は、ロビーニョが中央に絞ってみたり、逆にロビーニョがボールを持ってる時はエマヌエルソンが中央に絞ってみたりもしていた。ただ、必ずこんな動きをやってるわけでもなく、このスペースにはアンブロやイブラも出てくる。

 で、後半からはアントニーニからシャーラウィの登場。エマヌエルソンを左SBにして、シャーラウィが前線に入ることとなった。アントニーニはあんまり攻撃面で存在感を発揮しきれてなかった。じゃエマヌエルソンが存在感を示せたかって聞かれると、そうだよって答える。

 最初に面白かったのはアンブロジーニファンボメルの動き。もし、中央に人が少ない事態になると、飛び出してくるのはこの2人。マスカーラも飛び出してくるファンボメルにはついて行く判断をするのは難しい。ノチェリーノは相変わらずの上下動を見せる。で、前の3人とその他の絡みを見ていく。

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 後半のミランに頻繁に見られた2つの形。ひとつは左サイドの活性化。その方法ってのはエマヌエルソンの攻め上がりであった。ロビーニョを追い越すエマヌエルソンったら、ロビーニョが影分身でもしたかのような錯覚も起こった。で、ちゃんと機能してて良かった。多くのチャンスが左サイドからも生まれた。裏は安定のチアゴシウバのカバーである。

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 また右サイドではイブラとシャーラウィが頻繁にポジションチェンジを行なっていた。イブラは3トップの0トップみたいであったが基本的に斜めに降りていく。そしてシャーラウィを中央に送り込むようなことをしていた。で、アバーテがサイドは上がる。シャーラウィは狭いところでのプレーが非常に巧い。中央に移動する彼から何度もチャンスが生まれたのは偶然じゃなかった。

 他にもシャーラウィがトップ下の色気を出しながら単純に中央に出ていくことがあった。で、シャーラウィはトップ下じゃないかっていうとそうでもないポジショニングにいることが多かった。イブラは低い位置に降りたり、そうじゃなかったり。ロビーニョも中央にいることも。シャーラウィとロビーニョがサイドを変えることもあった。彼らは2トップ+トップ下ってのを関係なく自由に動いてるようにも見える、てかそう。

 あんまりパターン化されてる印象のなかったミランの前線のポジショニングや動きは、たぶん意志の共有ができた中でアドリブでやってる感じ。その基準は一体何だろうね。それで後方の面々はある程度どう動くか制約されてるような気がする。SBもファンボメルノチェリーノも、アンブロジーニも。

 で、ロビーニョの左サイド滞在が多かったとか、イブラとシャーラウィのポジションチェンジが目立ったとかは、アドリブの中でのちょっとした約束くらいなんじゃないのかと。いや、そいう約束がちょっとあってのアドリブかもしれない。アドリブでやってる部分が他より多い印象が気になるところ。それが守りにくさを与えるためのネタなのかもしれないけどさ。意志の共有があるみたいだし個に依存してるとは言い難い。

 少し考えると。イブラは中盤で組み立てに加わる意識が強く、シャーラウィは僅かな隙間でボールを受けて仕掛ける意識が強い。ロビーニョはサイドから仕掛けていく意識が強い。これらの特徴を踏まえた上で自由に動く印象があった。これらが意志の共有の基準なのかもしれまない。自由に動くけど個に依存してないような、味方の特徴を考えた連携みたいなのを感じた。まぁわからんことだらけですたい。

 '''■最後になんなりと'''

 ミランはベル爺のわがままもあって理想を追求していくことになってると読む。で、アッレグリがアドリブの部分をパターン化していくのかどうかが気になる。あと、シャーラウィの活躍はパトの存在を消してしまうかもしれない。僅かなスペースで輝くシャーラウィ、スペースがないと無力のパト。今のミランにはどちらが最適かは考えるまでもないような気もする。それでも僕のアイドルだし、パト頑張って。

〜シルバを中心に敷いた伏線〜 シティ対スパーズ

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シティもスパーズも非常に似たような表情をみせながら試合に入った。相手の様子を探りながら慎重に試合に入った感じ。そんな中で気になったところを見ていくことにする。最初に、お互いの守備戦術を見てみるとあんまり前から守ることはなかった。たまにアグエロやデフォーがキーパーを襲い、フリーデルもハートも逃げることがあったけど、前半の両者は基本的には後方で守り、後方から作っていく。

でもカウンターも強そうだよねって。シティの場合はアグエロを中心に個人技ごり押しのカウンターも見せていた。スパーズは両サイドを眺めてみるとベイルとレノン。スペースがなくなったら良さは出せないけど、スペースがあったら活きそう。そんな攻撃からからチャンスを作っていた数はシティが多かった。それはスパーズがそんな攻撃をあんまり狙っていなかったのかなとも。

なら遅攻で崩せってスパーズ。だけど痛いのはアデバヨールが居ない。で、4-1-4-1のワントップに求められるのは起点になること。別にどこでだっていい。サイドでも中央でも。フリーデルの困ったときのロングボールもおさめて欲しい。だけど、中央に居ないとゴール前に誰も居ない現象が起きたりする。

といっても、通常は前者を優先する。つまり起点になってもらおうと。ただ、スパーズは中盤でそいうことをやっていく感じもした。そんな中盤を活かすためのアデバヨールなのか、アデバヨールを活かすための中盤なのかはよくわからない。そんなことをゴタゴタ想像しながら考えてもしょうがないので結論だけ。スパーズはサイドでボールを回すことが多くなった、多かった。

そうやってゴールから遠くなったスパーズは遅攻からあんまりチャンスを作れない事態に遭遇した。なるほど、アデバヨールが中央で普段は無双してるんじゃないのかと。でも今日はアデバヨールは居ないので崩せない。で、死が待ってそうなスパーズ。そう予感させたシティの遅攻を探っていく。

面白かったのはシルバ絡みの崩し。1つはシルバを逆サイドまで流して左サイドに密集を作ること、もう1つはシルバが中央に進出することでスパーズの守備に綻びが出ること。前者から見ていく。

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シルバをナスリサイドまで寄らせる。で、アグエロやジェコまでも左サイドに進出する。ここで密集を作り押し込んでいく作戦。右サイドを見てみると、アウベス並の飛び出しも見せるリチャーズ。そんなことも狙っていたのかなと。ただ、リチャーズが裏を狙っていたかはそうでもなかった。

 その原因はスパーズの守備の態度にあるよう。シティがスパーズから見た右サイドに密集を作っていたら、ベイルがサイドを完全に捨てて中央を埋める。で、密集地帯上等な感じのスパーズ。リチャーズで狙ってたかは知らないけど、密集しすぎてサイドを変えることがでないシティ。

なら、次にシルバの中央進出により、スパーズのゾーンを乱すこと。どっちもシルバの動きは変わらないじゃないかって突っ込みが飛んできそうだが、人を集めて密集を作り押し込むのと、スペースを作ることの違い。で、スパーズは終始これに苦しめられた。密集ちっくを作りながら、そんな攻撃を見せたりもしたけど。

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 スパーズの守備組織の特徴はバイタルをパーカーで埋めること。で、それが一種の弱点ちっくになった。何が起きたか説明すると、中央に進出するシルバ→それに釣られるモドリッチやラファ→シルバがパス出す→パーカーだけじゃバイタル埋めるの無理→CBも出てきたり出てこなかったり。そうやってシルバを中心にバイタルを使うのはシティ。

 もう一つは、モドリッチとラファのずれも見られた。それはちょっと前から守ってみようみたいな意識があるときがあった。バイタルをよく使われた原因は味方にも相手にも求められる様子。シルバの中央進出と、そんな意識がバイタルを使われやすくしてしまったのかなと。

 よって、ほとんど膠着状態の中でもシティの方が活路を見出していた前半。それで、後半からはスパーズが攻撃のやり方をカウンター寄りにしたため、ボールを保持する時間は五分五分くらいから、シティが長くなった。というのはスパーズの攻撃が縦に早くなったため。

 んでスパーズには早い攻撃によりオープンな状況ができつつあるし、シティにはシルバの中央進出絡みによりチャンスが作れつつある、試合が動く可能性はありそうだって雰囲気に後半は突入した。

 それで試合はフィーバーする方向に向かっていく。シティは狙っていた展開のようにスパーズの2列目の守備がよくわからんことになって、シルバのスパーズ守備陣を切り裂く高精度のパスにナスリさん。次に、レスコットがコーナーで決める。でもデフォーが一点返す。何が起きたかは見逃したけど、おそらくミス絡み。で、ベイルがこんなところから決めるかってミドルを決めて同点弾。

 4点入った時間帯にフィーバーしすぎたせいで、お互いにペースダウンが始まった。よってスパーズもシティもそんなに無理して行けなくなった様子。でも途中交代してから、特に活躍してなかった男、僕らのバロテッリがPKを自ら奪取し、自分で決める。ロスタイムのバロッテリであった。

 '''■最後になんなりと'''

 スパーズの2列目の守備が時折カオスな状態に突入するのが気になる。シティはCBがもうちょっと攻撃のときに何とか絡んで欲しいなと。でもシルバは相変わらずスゲーなと。ベイルはバイタルで孤軍奮闘していたのが印象的。ただ、スパーズのカウンターはなんだかんだで、ベイルのを真似たようなミドルが多かったのが悲しくなった。その一つがたまたま入ったとも思えたりする。